サウナ中に

備え付けのテレビを観ていると

とにかく食べ物紹介の番組が多い

飲食店でのロケ番組やら

スーパーマーケットの商品紹介やら

とかく人間とは

食べる姿を観るのが好きらしい



確かに旅するユーチューバーも

ひたすら自分の食べている姿を晒している

人が孤食を嫌うのも

そのあたりに理由がありそうだ

誰かに見られている感覚を

無意識に求めているのかもしれない



ハラスメント地獄の世の中で

万人受けする番組を狙い打つなら

もはや食べ歩きしか無い



とにかく誰れ彼構わず

食べる姿を垂れ流しさえすれば

反感は買わずに惰性を売れる

視聴率一辺倒な尺度から

ノンクレームという尺度を加えた結果

当たり障りのない

テレビ番組が増えたのだろうか



今はもうあまり

テレビを観る機会も無いけれど

昔よく観ていた

教育テレビのような番組ばかりで

フォーマットが決まりきっているのだから

作り手もさぞ楽だろうとは思う



表舞台に立つ人々が

あらゆる専門学校で学ぶと

表現が単一的で

笑顔一つとってすら画一的で

アニメーションのように感じる



孤独な視聴者にとって

もはや触れ合えなくとも

目の前で笑っている

TVの中の見慣れた笑顔に

癒やされる事のほうが

慣れてしまって

気楽なのかもしれない



クラスやオフィスの

ちょっと良いなと思う誰かを

ランチに誘うだけで

ハラスメント扱いされるくらいなら

大画面の笑顔に癒やされたい

そう思う人が居たとしても

不思議な事でも無い



その笑顔や楽気な声に

癒やされながら

一人自室で食事をするのも

それほど悪くはないが

CMまで食べ物だったりすると

胃もたれしそうだけれど



そもそも一人で

食事が出来ない人というのは

誰かと共有しないと 

その食べ物の美味しさを

自覚出来ないのかもしれない



何かを口に入れて

誰かが美味しいと言う声を聞いてから

味わうとその言葉に流されて

美味しく感じる洗脳過敏なのではないか

だから孤食だと

何を食べても美味しく

感じられなくなるのかもしれない



そうだとすると

なんと不幸な事だろうと思う



一糸纏わぬ姿で

何も隠さず汗をかくこの姿を

誰にも見られなくても

特別寂しさを感じず

一人その気持ち良さを味わいながら

サウナ室を後にして水風呂で整う



そんな性分に生まれてしまうと

美味いと感じるだけで目を閉じてしまい

自然と意識が視界から遠退いて

味覚に集中するせいなのか

より一層その美味を

際立たせるのだから困ったものだ