欲しがりません勝つまでは
太平洋戦争時の合言葉
そんな事を言っていたから負けたのだ
氷河期の生き残りは
そんな甘っちょろい事は言わない
Dead or aliveが当たり前の合言葉は
欲しがりません死ぬまでは
その一択しかなかった
欲しがる事が重荷で
他人はいつもその欲求を刺激しては
無理難題を引き受けさせるからだ
欲求は抑え込めても
必要に迫られては仕方が無い
家賃や食費
そういった生活費は
何がなんでも手に入れなければ
雪国の冬は乗り越えられない
ホームレスなんて
真夜中の氷点下では考えられなかった
お金が欲しい訳じゃ無い
命が惜しいからと
仕方無しに勝ち筋の見えない
難題に取り組んだ
思い込みも強かった
あの頃でもおそらく支援はあっただろうけれど
そんなものを知る術を知らなかったのだから
救われようも無い
無能なのだから
何かを勝ち取るなんて出来ない
他人を怖がり近づけず
餌をぶら下げられて
群がる獣のように付かず離れず
場末の清掃会社に雇われて
長時間拘束を受け容れる事でしか
生活費を手に入れる術が無く
しかしそんな現実しか知らないという
追い風は上昇気流となって背中を押してくれた
生来の怠け者
雇われていた会社に仕事が無ければ
休めと言われて出勤日数が減り
当然に給料日の支給額もそれに比例するのに
気づきながらも他所で働く事はしなかった
仕事が無いのは
自分のせいでは無い
それなのに知らない会社へ面接に行き
また嫌味を言われるのが嫌だった
怖かったのだ
何かを言われて怒りに任せて
犯罪者になるのが怖かった
去年も何とかなったから
今年も何とかなるだろうと
半ば現実逃避的に休日を過ごし
その自由さが
堪らなく嬉しかった
蓄えなど無く
来月を暮らせるだけの収入は見込めない
休みなのだから他で働けば収入は得られる
それでも知らない所で働くのは面倒だと
命懸けのギャンブルを毎年
年明けからの3ヶ月ほど繰り返した
その時期は毎年
出勤日数が少なくのは分かっていても
繰り返す自分が不思議だった
氷点下の真夜中に
家を失う恐怖が働く理由なのに
その時期に収入が減るのを
放置するのは怖くは無いのかと
何度となく自問すると
怖いけれど年を追うごとに
成功例が増えるに連れて
その恐怖心が和らいでしまい
益々何とかなるという根拠の無い自信が
こんな所で芽生えてしまい
惰民の価値観とは
自分ですら測れない事を知った
ウクライナ紛争の報道で
ロシアの地方の貧困層が高給を受入れ
徴兵に応じるなどと語る
専門家の話を聞きながら思う
戦時となれば国交が狭められ
反対勢力からは経済制裁という
金融攻撃が加えられる
太平洋戦争時の我が国のように
四面楚歌になるとジ・エンド
だからこそ
普段の外交努力が必要不可欠
有事の際は助力よりも
不問にして通常の外交関係を
維持してくれる友好国を
どれだけ作れるのかが鍵で
ロシアのように
金融封鎖を耐えながら
エネルギー輸出を友好国へと切り替えて
耐え忍びながら
戦える状態を維持すると
盤面が変わると徐々に
助力が増えて来る
この耐え忍ぶ期間が
長ければ長い程
国力があるという事になる
戦争や軍事衝突には
命を懸けて戦地へと赴く人がいる
その一人ひとりに家族がいて
何かしらのコミュニティに属し
故郷や祖国を護るという思いを胸に
敵味方に別れて戦地に立つ
おそらくその場所では
正邪は存在しない
どちらの側も正義であり
護りたいという崇高な思いがある
勝敗を分けるのは
おそらく戦地以外にいる国民の
普段の行いで無いだろうか
まさに習慣が国や戦地の人を救う
国力や戦力で
大幅に負けていたとしても
普段から友好国と密に連絡を繋ぎ
質素倹約に務めながら
国家運営を行えば
核爆弾などで皆殺しにされない限りは
何処かで外交解決の盤面に変わり
そのタイミングを利用すれば
たとえ相手より
劣っていたとしても負けはしない
負けなければ
盤面が変わるまで耐えれば良い
その為には
長く戦えるだけの戦費が必要で
兵器や国家運営などにかかる経費や
人員動員の為の経費も捻出しながら
出来るだけ長く耐える為の習慣を
国家国民すべてに
普段から根付かせる必要がある
簡単に言えば
物価は安いに越した事が無い
人件費も食料やエネルギー
兵器やあらゆる外交に関わる経費も
安ければ安い程
物価の高い相手と対峙する時には役に立つ
それこそが武器になる
格差社会と言われて久しい昨今
まるで貧困層が戦地へ送られていると
ロシアの徴兵を語る
専門家達は口を揃えているが
それこそが力なのだとは言わない
例えば米国のように
高物価国家の国民一人の命は貴重だ
それだけ死後の保障費も高い
だからこそ地上部隊は
安全が確保されない限り
戦地へ派遣など出来ないだろう
ロシアや低物価国の
国民の命が安いと言いたい訳じゃない
金を掛けずに豊かに暮らす術さえあれば
たとえ他国人と比べて
安い命だとしても個人的には構いやしない
有事の際には
その生活習慣そのものが
長期戦を耐えるだけの力になり
意識しなくとも国の助力になるのだから
貧乏暮らしは国益に叶うはずだ
そう考えると
欲しがりません勝つまではという
そんな心構えでは
勝てない気がしないだろうか
あらゆる宗教でも
在るが儘に我儘に暮らしなしなさい
おそらくそんな教えはないだろう
好きな物を好きなだけ食べ続けてしまえば
自らの健康を害すのだから
どこかで自制が必要になるのは
歴史が証明している
心身の救いを求めるなら
死後に与えられると信じれば
生きている間には叶わない
生とは修行なのだから
死の袱紗に包まれた救いを手にするには
天寿を全うするという悟りが
必要なのかもしれない
そんな教えを義務教育で植え付けると
さぞや強い国が出来そうだけれども