秋口の気温1℃と

春先の1℃では感じ方が違う

秋のそれはもう

この世の終わりが近いのかと

思うくらいに悲しくなり

春先の日溜りなら

心が浮き立つのだから

感覚とは不思議なもので



掌を見つめながら

すべての感覚が放射状に

広がる様を想像すると

その進む角度が1℃ズレるだけで

進めば進むほどに辿り着く場所が

大きく変わる気がして

少しだけ怖くなる



それどころか

何度チャンスに巡り合っても

一度も掴みに行かなければ

チャンスであった事にすら

気づかないかもしれない 



幾つもの扉が並ぶ真ん中で

一人立ち尽くす自分を思い浮かべ

どの扉を開けようかと迷った時

おそらくすべての扉の先にある未来が

運命の場所であり

そこへと辿り着く為の道のりの

選択肢が目の前に並んでいるのだと

気づけさえすれば

どの扉を開けようとも

望んだ何かへと繋がっている



一度じっくりと

過去の自分を振り返り

今に至るまでのはじまりの扉が

どこだったのかを知ると

一見すると困難なこの現実も

自ら選び取った茨の道だった事に

気づけるかもしれない



何度と無く

大海へ飛び出したあの日を

後悔したとしても

人生という流れは止められない

一度出た航海を

途中で止める事は出来ない



時には無意識の風が

選択の扉を押し開けたとしても

その向こう側へと踏み出したのは

あの日の自分なのだから

何か感じるものが

そこにはあったに違いない



人生の秋口に差し掛かり

少しセンチメンタルになっているのか

春先の強い風がもう一度と

心の中を囁くように吹き抜けて

青春時代がいつなのかなんてものは

自分で決めてしまえと心に響く



もう一度

あの頃の様にではない

自分は今もその真ん中に立っている

人生すべての時間が

そうだと感じられるなら

それが答えなんだろう