あらゆるサプリメントを摂取しながら

健康的な習慣を続けるとどうなるだろうか



超絶貧乏星の独裁者には

夢も希望も無いけれど

なぜか死にたくは無いからと

ひたすら健康には

こだわり続けている



貧乏なのだから

健康を害すると即生死に関わる



だからそんな事は

当たり前ではあると同時に

これと言った特技どころか人並みの

就業能力も無いのだから

薄給を綱渡りするように死ぬまで

働き続けなければならない


 

この現実を渡り切る為にも

健康体は大切な生きる糧なのだ



幸いな事に

半世紀近くを生き抜きながら

大きな怪我や病気もせずに

何とか上手くここまで

前進して来る事が出来た



案外と丈夫な体と

貧乏生活と薄給綱渡りは

相性が良かったようで

軽作業系肉体労働という

天職にめぐり逢い

働くだけでトレーニング作用を得られるという

偶然の幸運がより一層の

健康体を作る原動力になり



若い頃などは

残業を買わなければ

必要な生活費に届かないからと

寝る間も捨てて動き続け

寝なければ死ぬほど辛いという

この体の特性に気づき

何とかしなければと思っているだけで

なかなか解決策を見つけられずに

漫然と暮らしていたら



社会のほうが変化を始め

いつの間にか快適な職場環境が

社会全体に広がり

自分の体力の低下を補うように

労働時間は調整され

有給すら取らなければならない

そんな決まりまで作ってくれたおかげで

逆に単発の残業を買っては

小遣いに出来る昨今の現実は

生きたまま天国に来てしまった気分



心のゆとりが

それまで踏み入れなかった領域へと

足を踏み入れるきっかけとなり

老化の影響で低下する体力を

どうにかして保てないかという

難題と対峙する勇気を与えてくれた



自身の血筋の先代や

先々代を見送りながら

だいたい八十代までは健康に

暮らす事が出来そうな

体だという事が分かったから

問題はどうすれば

ぽっくり死ねるのかを考える始め



筋力トレーニングや

脳トレーニングを繰り返し

健康体のまま死ぬ為の活動を

自覚する前に

もうすでに始めていた事に気づき

10年前の自分自身に救われた気がして

鏡に向かってお礼を言う始末



独裁者たる者

散り際には拘りたい



どう死にたいのかと問われれば

普段通り眠りについてそのまま逝く

それが理想だろうか

ただ生死を彷徨う虚ろな意識の中で

それまでの軌跡を振り返りたい

だからボケたくはない



放っておいても

突然の事故や感染症などに

襲われない限りは

おそらく早死しないだろうと

高をくくり

これから目指すべきはぽっくりだ



そこへ向かう過程で

必要な出来事はおそらく

生きる為にも役に立つ



これまでを振り返っても

無駄な事は何一つ無かった

何も手に出来てはいなくても

今もこうして生きている



何も裕福にならなくとも

あらゆる競争に全戦全敗して

自身がポンコツでも

社会が優秀なら救われる



生きるだけなら

これから生まれて来るほうが

遥かに楽な人生を送れるはずだ

しかし人生を楽しむには

おそらく苦労するに違いない



あらゆる不条理が失われ

誰もが平和な時を過ごせるようになると

個性は育たず

というよりも気づき難くなる

そんな気がするがどうだろうか



現在の幸福感も

幼い頃からずっと抱いていた

不便さや面倒臭さを

経験した事と比べられたからで

始めから不便なく暮らせていたら

おそらくこの便利さに気づけず

幸福感なんぞ抱けなかったはずだ



幸福が当たり前の人生とは

一体どういった感覚を齎すのだろうか



それが当たり前で

努力をしなくとも社会が

他者が補ってくれると独裁者にもなれず

早い段階で寝たきり生活に陥りそうだ



そんな空想をすると

これまでの人生すら幸運に思う



あの毎日菓子パン祭りの中で

よくぞここまで健康を保てたものだ

時代の上昇気流を捕まえて

80代や90代まで駆け上がり

ぽっくり死ぬ為に

今から半世紀かけて整えて行こう



そう思えば

節約も筋トレも英会話アプリも

すべてが役に立つ

なんて素晴らしいんだ

気がつけば未来は

夢や希望に満ちている



まさか超絶貧乏星の

独裁者たる者が自身の将来に

ポジティブになる日が来るとは

まさに未来とは

ミラクルなものだと感心する

今日この頃