自分で決断した事は

たとえそれがくだらない事でも

曲げられなくなる性格



決めた自覚が無くても

何となく曲げられない事すら

多々あるのだから

益々たちの悪い性格



精神的な意味で

自分しか存在しないから

起点はいつも気持ち

自分発進じゃないと

何も始まらない



人や物を好きになるのもそう

愛されるより愛したいというよりも

愛さなければ何も始まらない



そんな性格の人間には

'イ'という一音が

'ウ'になるだけで

人生が激変してしまうのだ



たとえば援助という言葉

生きる上では

他者との協力は必須

人類はいやそれ以外の動物ですら

コミュニティを形成し

互いに援助し合いながら繁栄を築く



しかし自己発進な存在は

一方的に援助を持ちかけられても

そのメリットに気づかなければ

もしくはそれを受け取りたい欲求が無ければ

断るという特性があるのだ



個人的にこれを

プレゼントの法則と名づけている

何も難しくはない

欲しくも無いお土産のペナントなど

すぐに捨てるのだから

受け取りたくないだけだ

いやむしろ捨てる時の罪悪感が嫌だから

なおさら腹が立つ



駄目でしょ駄目なのよ

だからひた隠しに生きていた

けれどもね

孤独になるとその不快感から解放されて

気持ちが楽過ぎてたまらない



まるで御代官様に

良いではないか良いではないかと

帯をあ〜れ〜と解かれている最中も

貞操は守らなきゃいけないと抗うけれど

案外とタイプの顔だから

一回くらいなら良いかなみたいな

そんな感じになっちゃう



そんな阿呆な人間に

まともな人が援助をしても

いつもエンジョイ出来ず

怒りの炎が炎上する始末だから

神様だっておそらくお手上げ



なぜ惰民なのかと問われれば

そもそもなぜあなたは努力出来るのかと

問い返したくなる

生まれて来るという選択を

自分でした訳でも無いこの人生に

なぜ自分が

責任を追わねばならん



あれが欲しいから

手に入れる為に努力をする

それは分かる

しかし今生で成し遂げたい事など無い

ただ気持ち良く過ごしたい

心地良さの中に漂いたい



羊水に漂うだけで良かったのに

おぎゃーと一発産まれたからには

天下に轟く大物にならねばならんとか

家族を築き一芸を磨き上げ

子を育て国を支え世界の未来を創造する

なんでそんな事をせにゃならん



生まれる前に 

そう願ったのなら迷わずそうする

どんなに困難で挫けそうになっても

最後に愛が勝つと信じて

前に進むに違いない



しかしそんな選択はしていない

転生アニメのような女神もいなかった

気づいた時には生きていたのだ



義務を果たさなければ

生きるとか死ぬとか以前に

怒られる

怒鳴られたり殴られるのは

御免だからと仕方無しに働くだけ



最低限の義務を果たしさえすれば

生きて行けるのなら頑張りたくは無い



ただ後天的幸福感を得る為には

自分が何に対してその感覚を抱くのかを

知る必要に迫られるから

幸福や不幸問わず体験するのは大事で

だからこそ若い時の苦労は買ってでもと

そんな諺が生まれるように



惰民は放っておいてもサボるから

自然に炎上人生を過ごす事になるだけで

右へ倣えな性格なら

エンジョイ人生を過ごして

ライフルスコープの照準が

オートマティックに合わせるように

幸福点を探し当てる



おそらく極端な炎上人生も 

エンジョイな人生も対して変わりはしない

ただ無限ルーブの幸福が先か

不幸が先かの違いだけで

それを繰り返すのは同じこと

一番厄介な人生は中心人生だろう



コマの芯の様に

その場から動かずに回り続けるだけ



幸福感も虚無感も知らないまま

現代のような過渡期を迎えてしまうと

価値基準がくるくる回り出すと

途端に自分の幸福点が分からなくなり

不安だけが残る



昨今の世界中で起きている

政情不安などは良い例だろう

他者と比べてまだマシだと思っていたら

実はこちらの方が下だったと

誰かに言われてアタフタしては

不安を暴れて解消する始末



生まれて来るという

選択権が無かった事に不満を抱かずに

生きられるのなら努力も出来る

不安もその内に誰かが解消してくれる



ただその選択をしていないのに

苦労はしても時間が人生を

笑い話に変えてくれても納得出来ない

しかも老いて孤独すら手放さ無くてはと

覚悟を決めるから自殺する

そんな文豪達の気持ちはよく分かる



決断とは人によっては

それくらい重く頑なものなのだ



願わくばテクノロジーによって

孤独を手放さずにあの世へ旅立てる

そんな未来を築いて欲しいと

そこもまた他人任せな無責任だから

家計はいつも炎上するけれど

案外と人生はエンジョイ出来ている



'イ'が'ウ'に変わるだけで

感覚的にはまったく違う人生になるが

一時が万事とはその通りではあるが

一字違いでも偉い違いで面白い



生まれてくる事は

自分で決めた訳では無く

ただ抗え無かったのが現実で

教育という洗脳を

幼い頃に受けて抗い

その頃憧れたバイク乗りのように

能面顔で今も暮らしてるだけ



憧れも決断なのだ

幼い頃の思い込みが今も続いている