黒猫は幼い頃
無防備に人に近づくと
蹴飛ばされたり
踏んづけられられたりして
大人になる頃には
人に寄り付かなくなる
少なくとも
幼い頃に出会った黒猫達は
みんなそうだった
アッ!って思った時にはもう遅い
気づかずに彼らを傷つけて
ギャーッと鳴いて逃げてしまう
薄暗い牛小屋では
よくある事だけれどね
申し訳無いとは思う
だから他の猫と
同じように餌をねだる時も
少し遠く離れた場所から鳴いている
そんな彼らに対して
わざとそちらの方へと
間食用のおむすびを投げてやるのが
幼い私の罪滅しだった
だからもしかすると
擦り寄って来る黒猫に出会えると
幸せになれるといつの頃からか
思い始めはしたけれど
未だに出会えずにいるのは
やっぱり呪いの類なのだろうかと
考えていたら
ピンポーンと呼び鈴がなった
宅急便で機種変更の
スマホが届けられ
色々と設定をしながら
嫌気が指して現実逃避していたら
不意にその配達員が
クロネコヤマトだった事を思い出し
ちょっとだけ幸せになれた