強風に晒されると
獅噛みつき
吹飛ばされないように
踏ん張り続けて
過ぎ去るまでただ待つのみ
強者に獅噛みつき
振り落とされ無いようにと
必死に愛想を振り撒き
その立ち位置を確保して
出来なかった誰かを嘲笑う
知ってる誰か
知ってる何かと比べて
不利なリングに
決して上がる事も無く
勝てるレースだけ全集中
ターゲットへ向けて
周りと息を合わせ
一斉に口撃を加え続け
居なくなればまた違う誰かを
的にするだけ
そんな世界の
嵐は決して止むことは無い
握り締めた綱を引き合って
掌をヅタヅタにしても
負ければロングバケーション
熱が冷める頃に
ひょっこり顔を出すその人は
コミュニケーションの怪物
何も生まずに奪うだけの存在
終いには自身をも喰い尽くし
後には何も残らない
そんな亡者には
決してなりたく無いと
呟く頬の横を
ただ冷たい風が吹き抜けて
背筋が少しだけ伸びた