どんなに辛く哀しい物語でも
面白く感じる瞬間がある
たとえば唐突に始まる
ナレーションとかがそうだろうか
昔の物語と言えば
どこか教訓めいていて
喜怒哀楽の中に知恵や
それが生まれる前の名残りのような
不可思議な言動が脇役から
放たれたりして
主人公の気持ちになれば
涙がちょちょぎれる筈なのに
何故か笑ってしまう場面が
数十年経っても忘れられずに
繰り返し思い出し笑いの
ネタになる事がある
その作品名や主演者は忘れても

その場面だけが思い出され続ける
映画やドラマに限らず
コマーシャルの一コマだったり
その一言が何故か不意に思い浮かび
気づくと笑ってしまう
現実での思い出でも
起こり得るその現象が
その時の無意識に刻まれた
幸福感なのかもしれない
哀しい過去の体験を
後の自分が笑い飛ばす
その度に救われる気持ち
そうする事で
あの日の自分に寄り添い
孤独が消えていく感覚
何度も思い返して
過去の自分にナレーションで
頑張れと言い続けていれば
いつか本当に
笑える日が来るかもしれない
そんな日が来たら
ありがとうを加えたい