蜘蛛の糸にしがみついて

何とか少しでもマシな場所へ行けると

信じてよじ登る力のある人だけが

救われた時代から

アスレチック施設の遊具のように

縦横無尽に張り巡らされた

セイフティネットワークに

覆われた現実へとシフトしてから

人類は死ぬ事が難しくなった


なにせ道端で倒れていても

見かけた誰かがスマホで119番へ連絡して

たとえ心肺が停止していても

電話口の向こうから

AEDの使い方をレクチャーされ

蘇生されてしまう


水先案内役は死神なのか

天使なのかは知らないけれど

おそらく彼等の商売も上がったりで

家計も企業収益も火の車

国などというシステムがあるなら

消費税を失くせの大合唱だろう


そもそも税を取ってから

サービスを配るなら最初から取るなと

声高に叫ぶのは同じかもしれない


もしも無税の国があるなら

どんな国だろうか

袖擦り合う事があれば殺し合い

口を開けば罵詈雑言の掛け合いで

出会えばバトルロイヤル


元を辿れば動物に戻るだけで

現実でもサバンナ辺りでは

今もなおそんなサバイバルが

繰り広げされ続けているのだから

一度くらい無税にしても面白い


海外から輸入する

食料調達資金がないから

小麦が真っ先に奪い合いになり

エネルギー供給も止まるから

ガソリンスタンドや

港湾地域の馬鹿でかいタンクを

占拠して商売をする輩も

現れるかもしれない


そもそも外国政府との

交渉窓口が細分化されて

日本全国出島状態

個別外交どころか

個人外交をしなければ生き残れなくなれば

またその蜘蛛の糸に

人が殺到するかもしれないが

流石に一度に大勢がぶら下がると

切れてしまうからと

アスレチック遊具のようなその糸に

行列が出来るかもしれない


その行列の案内役に

死神や天使が再雇用されて

セイフティネットに

組み込まれればすべて解決と

上手い具合にならないのが

この世の中の面白さかもしれない