名も無い人間も

野に咲く花のように

儚く散って逝く

ただそれだけでの事で

歴史の片隅に刻まれ

この惑星の記憶には残る


その花の名前は

知らなくとも

ひと目見て美しいと感じ

すぐに忘れてしまうように

人の一生とは朧なもの


人生を彩る景色には

夜空の星の輝きの数だけ

喜びで溢れ

背景の影のような

哀しみで覆われている


天文学の系譜のように

その小さな輝きに名前をつけて

この歴史を流れる流魂の

すべてが後世へと

繋がるようにと願う