ロシアの大統領は
独裁者なのか
捉え方によって意見は分かれるが
個人的にはそのように思う
独裁者とはある意味
シンボリックな存在だ
各国の王族といった
あらゆるシンボリックな指導者が
世界中には存在し
一企業の経営者などでも散見される
いわば過去に何らかの
成果を上げた存在なのだろう
独裁者という言葉の響きと
実際の独裁者では
イメージの違いが大きく
そこを今で言うところのインフルエンサーや
ジャーナリスト達に翻弄されながら
一般社会へと拡められて行く
歴史を振り返っても
数え切れないほどの独裁者と呼ばれる
存在が過去にも存在した
個人的に小さい会社から
全国展開をしているような
そこそこの会社で働く機会に恵まれ
いわゆるビルメンテナンス業の
組織とは封建的な場合が多かった
社長が創業者なら
絶対的な王様で
その法則は規模の大きさが
変わっても同じで
基本的には
いわゆる昭和世代の上下関係が
ものを云う組織が多かった
なぜ逆らわないのか
それはひとえに
自分で考える事が出来ないからだ
立場が上に行けば行くほど
情報が手に入り
それをさも自分の言葉のように
目下の者へ語るその姿が頼もしく
言われたとおりにすれば
上手くいくという実績も相まって
まるで宗教の教祖のように
思ってしまう
特に氷河期などと言われ
物価が変わらない時代
口の上手い営業マンや
コミュニケーションモンスターのような
人間関係を築くのが上手い人なら
職務内容など把握しなくても
周りにいくらでもなり手がいるのだから
任せてしまえば良い
そもそも他人と関わりを
持ちたがらない人が多い作業員なら
嘘八百を並べ立てて
悪人へと仕立て上げられると
居心地が悪くなるからと
はいはいとイエスマンでいた方が
気楽だったのだ
組織全体が
上手く回ってさえいれば
どのセクションでも
そこそこの生活は出来るし
何より物価が変わらないのだから
見積などする必要もない
ただ前例通りにすれば良いのだから
フォーマットという情報さえ
手にしてしまえば
営業などはただお喋り相手になるだけで
仕事が成立してしまう
そこに実務能力は要らない
人間関係を上手くこなせるという
コミュニケーション能力が
唯一にして最大の求められるものだから
ここ数年の物価変動に
苦しむ中小企業が
多いのはそのせいだろう
見積るという
作業経験がない管理職が未経験の部下に
押し付けられずに無能を晒す姿を
何度となく見てきた
私の上司などは
あの時代のリーダー像の
まさにその象徴的な存在
だったのかもしれない
国であれ企業であれ
学校であっても
誰かに頼れば良い時代
喧嘩をして勝ったとしても
次の日には大勢に取り囲まれて
仕返しをされたり
またはより強い助っ人を連れて来て
仕返しさせるように
それはたとえば力の弱い者が
強い者に告げ口するぞと
脅しをかける事にも繋がる
そんな環境で
過ごした経験から推測すると
独裁者とは周りが
便利使いしやすい誰かを祀り上げ
何かあった時には助けて貰い
もしもの時には
自分が責任を取らずに済むように
皆が担ぎ上げる存在なのだろう
現にロシアの大統領も
就任当初は若く
決してよい状況ではないタイミングでの
就任だったように思う
あれから二十数年
ロシアは強さを取り戻した
それは大統領TEAMの功績だろう
3年にも及ぶ
特別軍事作戦とそれに伴う
各国からの経済制裁をものともせず
国民や軍や議会の信頼を得て
しかもウクライナに対してまでも
抑制的に対応しているように見える
ロシア側にも死傷者は出ている
制裁の影響を国民全員が受け
それでも大統領への信頼は揺らがない
そのプロパガンダに
何か問題があるのだろうか
国として
おそらく常に危機管理を徹底して
教育やそれこそプロパガンダを
繰り返すことによって
ある種の一体感を作り出し
そして見事にこの難局を乗り越え
アメリカの変化を勝ち取った
三年前の軍の統制は
見事だった
ウクライナの大統領は自国民に
火炎瓶を作り国を守れと鼓舞したが
個人的には戦車の的になれと
聞こえた気がして
これを世界は許すのかと
驚いてしまった
日本のメディアでも
その発言を非難もせず
あくまでも攻撃を始めた
ロシアに罪があるのだと
今でもそうした報道を続けているが
本当にそう思うのだろうか
もし自分が総理大臣に
他国の侵略者の戦車に向けて
火炎瓶を作り戦えと鼓舞されたら
私なら侵略者よりも
総理大臣に火炎瓶を投げつけたい
何度も言うが
ロシアにも死傷者が出ている
それにも関わらず
政府や議会にとどまらず
軍や国民に至るまで
しっかりと抑制的に対応し続けている
ロシアという国家の成熟度の高さが
ここに証明されている
武力行使を称えている訳ではない
ただ有事の状況でも
政治的にも経済的にも
安定していられる国家の運営方法は
他国政府も学ぶところがあるだろう
ポピュリズムに流されて
国内情勢が揺らぐようでは
もはや他国と戦う事は出来ない
兵員の確保もままならない国は
かなり多いのではないか
西側に属する日本では
あまりロシアを肯定はしないが
間違いなくその国家運営を
評価している政治家はいるだろう
窮地に立たされた時に
国民に精神的な支柱にされるのが
独裁者であり国家元首の務め
その役割を全うし続けている
ウクライナの大統領だけが称賛され
ロシアの大統領が
賞賛されないのが不思議なくらい
武力衝突が起きてしまい
市民への被害が出た以上は
どちらの国も勝者にはなれないのだから
1日も早い停戦を願うが
そう簡単には終わらないのだろう
ただ間違いなく
この難局を団結して耐えている
ロシア国民とウクライナ国民こそが
両政府の外交政策の失敗の犠牲者であり
またその修復を担う英雄である事は
間違いない事実である
報道では両政府の大統領は
自国民から高い支持を保っていると聞く
それならばお互いが
交渉のテーブルに付き
妥協点を探り合いさえすれば
両国民は命をかける戦いを強いられなくても
良くなるでのではないか
この状況を耐え忍び
暴動も起こさず自国や世界へ
協力しているこの両国民を
どこの国の報道も同情はするが
決して称賛はしない
両政府の政治的失策の尻拭いを
これだけ長い期間やり続けている
両国民を褒め称え
両政府へ停戦を働きかけるような
他国の政治家すら誰もいない
この強い精神力を持つ
ロシアとウクライナ両国民を
私は心から尊敬し
一日も早く平和な暮らしを
取り戻す事を願っている