私が犯罪組織の親玉なら
まずは探偵に週刊誌や
新聞記者の身辺調査を依頼して
弱みを握り
そしてその記者を脅して
嘘の記事を書かせる
その記者が編集長クラスだと
なお利用しがいがある
世の中のほとんどの人間は
叩けば何かしら埃が立ち
もし立たなくても
その周りの誰かを叩けば
誰かからは出るだろう
友人知人や家族
組織人ならその組織の闇に
スポットライトを当てて
思い切り叩き
横から多くの耳目を集めれば
誰かしらが騒ぐに違いない
株式投資が一般化され
その動向に注目が集まれば
良い影響なら上がり
悪ければ下がる
下がる時が分かっていれば
そこで買えば良い
世間に放つ情報など
真実である必要はない
要はインパクトなのだ
株価を思う通りに動かせる力となれば
善悪などは関係なく
その情報分析が出来る存在なら
自動的に対応するだろうから
波を起こせば株価が変動し
その恩恵を受けるべく
AIが対応すれば株を持っているだけで
自然に利益が得られる
もはや情報そのものよりも
行動力や実行力が物を言う時代なのだ
要は言った者が勝つ
その情報が駆け巡る間
株価が上下するのを利用する商売
いかにも悪の親玉らしい
いやらしいやり口
情報などは今や
虚実が入り混じったマジック
手品師がそのタネを明かさぬように
言われた側も明かさないのなら
その情報の受け手も
都合の良い解釈をして
物語のように思えば良い
案外その登場人物達も
どこ吹く風と
ケロッとしているかもしれないし
もしかすると株で
ひと儲けしているかもしれない