言葉は心を表すと言うけれど
独り言を話す自分の姿を俯瞰すると
絶望的に品性が欠けている
そんな本質を他人には見せられないから
人付き合いが面倒になる始末
もしも傷つけてしまったら
そんな思いも確かにあるけれど
訴えられて面倒事に
巻き込まれたくないというのも本音
聖人君子になりたい訳ではないけれど
美しくありたいとは願っている
本質的に品行方正な性格には程遠いから
真逆な存在に憧れるのだろうか
幼い頃に憧れたヒーロー達は
それほど上品ではなかったけれど
一貫して悪者には屈しなかった
そんな姿を自分に重ねて生きて来たけれど
彼らのような成功者にはなれず
自暴自棄にもなった
長い時間を掛けて
自分の弱さや心に住み続ける
悪者達と仲良くなり
もうこの気持ちを受け容れてしまおうと
何度思った事だろう
その度に「そっちじゃないよ」って
声がした気がして立ち止まり
振り返りながら自分の足跡を辿っては
元の場所まで戻り無意識に
あの頃憧れたヒーローになりたいという
思いに連れ戻された
そんな堂々巡り
憧れたヒーローのように
バッタバッタと悪者は倒せないけれど
自ら悪者になってまで
ヒーローを貶めたくもない
そんな中途半端な正義感が邪魔をして
上手く立ち回れなかった
そんな矛盾した気持ちを
どうにかしたくて
せめて言葉だけでも美しくして
その行動が習慣になって
少しはマシな人間になれるかもしれないと
期待をしながら今も言葉を紡いでいる