そんな事を自問したことがないから
改めて問うてみようと試みる
恋愛どころか
人付き合いすらままならないから
とりあえずはフィクションを
真似るくらいの事しか出来ない
どんな相手が良いだろう
ひとまず犬の首輪に
リードを繋がない人が良い
方向性を違えると
首を絞められかねないから
リードは胴体派
ただリードで繋がるのは
嫌いじゃない
むしろ好きなくらい
その繋がりを赤い糸だと思うからこそ
それが恋なのだと自覚出来る訳だから
それがなければ始まりもしない
イメージでは
無限に伸びるリード
物理的に存在しなくても
おそらく恋に落ちると
執着心やら独占欲やらなどが
見えない鎖になるだろう
独り言が話せなくなると
ストレスで八つ当たりしてしまうから
ずっと一緒に過ごすのは無理
でもどうでも良い事を決めてくれる人なら
便利だと思う
デートコースやあらゆる予約などを
自然にやってくれる人が良い
それを頑張ってやりましたみたいな
あなたの為オーラを出されるのが嫌だ
あくまでも世話好きで
今日はこうしますと
自分にはどうでも良い事を
勝手に決めてアテンドして欲しい
そして大事なのは
無理強いをしない人って事
嫌だと言ったら嫌だから
聞き直されたくもない
意見が割れて
こちらが意固地になってしまった時に
何らかの必殺技で
ストレス無くこちらが従えるような
問伏せ方が出来る人じゃないと
おそらくはその繋がりを保てない
だって逃げ出してしまうから
一人がフラットだから
ストレスになるともう無理
ごく自然にまるで独り言を話すような感覚で
話せる相手じゃないと続かない
もはやこれは病と言って良い
その相手が誰であれ
一人で過ごす事が必要で求めているから
その障害になるもしくは
これからそうなる可能性を感じると
嫌悪を通り越えて恐怖すら抱いてしまう
誰かを求めた経験がない
いや正確に言うとそれを求めた相手に
気持ちを逆手に取られて
交渉材料にされたという苦い経験があるから
余計に警戒しているだけ
血気盛んな頃なら性的欲求を
餌にされて贖いきれなかったけれど
その欲求の大半も
好奇心だった事に気づいてからは
異性に対しても警戒心が強まってしまい
ますます人から離れるようになった
もともと感覚的に自分と
それ意外に分けられた世界観
まるで映画でも観ているかのように
現実も過ごしているから
その物語の中に自分を加えられると
それだけで違和感が生まれ
しかも何かしら自分の欲求にない行動を
求められるから面倒臭くて
しかもそれが出来ない事なら
練習させられてしまう始末
やりたくもない事の反復練習なんて
拷問以外の何ものでもないから
やっぱり逃げ出してしまう
学校の授業みたいに
チャイムが鳴るまでとか
卒業するまでというゴールがあるなら
まだそこを目指せば良いけれど
それすら提示されない要求は
まさに終わらないエンドロールに感じるから
すべてを放り出してしまう
生きる為には
どうしても切り離せないものだけしか
持ちたくないし必要がない
ひどい時なら自分の
心すら捨てようと試みたくらいだから
物理的に引き離せてしまうなら
違和感なく捨ててしまう
あの頃なら心や体だって手放せるなら
手放してしまっただろう
ただ右腕が無かったら不便だし
実際に切り落としたら痛いだろうから
怖くて手放せなかっただけの話で
我慢するのに邪魔な欲求は
何度も捨ててしまったくらいで
それをまた生きる為にはやっぱり必要だからと
取り戻すのに何年も費やしてしまった
家族すら向こうから連絡してこなければ
音信不通になってしまう
どこに居るのかは知っているし
何の連絡も無いから元気なんだろうと
勝手に思い込んでいるだけで何の問題もない
会話が苦手だから
年に数回の親子の電話も3分で終わる
終わらせてしまう
そんな人間を
丸ごと受け容れてくれる人で
しかも一丁前に好みもあるから
誰でも良いという訳でもない
顔やスタイルは全体のバランスが
整っていれば可愛いと思うから
それほど難しくは無いだろうけれど
私を上手に扱える人となると
この世に存在するのかすら疑問だ
単純に自分で
そう思い込んでいるだけかもしれない
ただ自分が自身を
そういう風に感じているだけで
傍から見るとこんな感じの人は
珍しくもなくて
意外と分かり易くて
扱い易い人間なのかもしれないと
最近はそうやって思うことにしている
相手に対して
何がしてあげられるだろう
何かを好きになると
それを思い浮かべるだけで幸せになれるから
その人のそういう存在になりたい
何が好きで何をされると喜ぶのかを知れば
あとはそれを提供し続ければ良い
けれども実生活で役立つような事は
基本的に苦手だから生活費を稼ぐとかDIYとか
車の運転も苦手でドライブは助手席派だし
むしろ乗り鉄もどきだから
公共交通機関のほうが好きだから
乗り換えのナビくらいなら出来るかもしれない
圧倒的に求めることが多いから
そもそも何かをしてあげたくなるような人が
ちょうど良いのかもしれない
その感情が恋にせよ愛にせよ
自分が何かをしたいしてあげたい
その相手を喜ばせたいという欲求が
その関係性が続く原動力だから
なんだかんだ言っても
誰かを好きになりたいとは思う
誰かを強烈に求めるという
ある意味では
幼い子供が抱っこをせがむような
そんな気持ちを取り戻したい
おそらく持っていた筈の
自分と相手の全部で繋がりたいという欲求を
もう一度実感したい
そして運命の赤い糸をリードに見立てて
繋ぐのならばやっぱり胴体にして欲しいと願う