シリアでの出来事を

あまり大々的に

報道しないのはなぜだろう

おそらくメディアが

どちらの味方になれば得をするのかを

決め兼ねているのではないだろうか


ウクライナやイスラエルの紛争とは

明らかに違う報道手法で

まずどちらが正義なのかを探っている

崩壊した政権側か

解放した新勢力か

世論はどちらに与するのだろうと

これまでの報道では

どちらも悪だったものだから

この権力移行は西側諸国にとって

寝耳に水だったに違いない


大概は政府筋の人間が

報道各社にレクチャーしてくれる

どちらが正義なのか

どういった筋書きにすれば良いのか

まるで映画の公開日のように 

各社が一斉に同じストーリーを

報道するのがいつもの手法


けれども今回は

頼みの西側の各国政府も寝耳に水で

どちら側もテロ指定しているから

どちら側にもつけない異常事態

明らかに西側各国の意図していない

権力の転覆劇が

今シリアで起きている


偶発的なものなのか

恣意的に誰かが意図した計画なのか

まだ分からないが

この権力の移行のやり方については

各国が口を出すに違いない

西側は民主的な方法論を唱えるだろうが

この国の歴史を見ると

それは期待出来そうにない


民間企業は国の支援がなければ

わざわざ危険を冒してまで

政情が不安な国への投資はしないから

国内の報道機関も

大々的に取り上げないのかもしれない


そうだとするとウクライナやイスラエルには

民間企業にメリットがあるという事になる


遠い異国の紛争なのに

連日ニュースのラインナップに

加わえてはその悲惨さをアピールする

ウクライナ紛争ではロシアの大統領を

まるで帝国の魔王のように伝え

カザ紛争ではイスラエルの首相を悪魔だと

伝えているように聞こえる


アメリカでは大統領選挙の時などは

報道機関もどちらの候補を支援するのかを

しっかりと表明するらしいが

今年はそれをしない企業もあった様子

今や報道機関といえども

各国の企業間連携が進んでいるから

遠い異国の情報も国内にいながら

手にする事が出来る


少なくともアメリカの

メディアは支援している候補者が

はっきりしている訳だから

その候補者の意図した報道を

推奨するだろう

それは社内でも対外的にもだ


その操作された情報を元に

各国の報道がされているのが現状だとすると

本当にその情報は正しいのか怪しく感じる

本当にロシアの大統領は魔王なのか

イスラエルの首相は

本当に血も涙もない悪魔なのか


恣意的に操作された

情報の中から真実を見抜く力を

養わなければならない


それは何も政治的な場合に限らない

日常でも同じ事が起きている

その上司の指示は正しいのか

そのインフルエンサーの発言は正しいのか

学校の教師すら疑わなければならない

学習指導要領が変われば

彼等の言うことだって変わる


義務教育の名の下に

道徳という洗脳をしているのが教育だ


キリスト教が伝来するとともに

鉄砲という強力な武器も一緒に伝わり

その製法を地元民が学び

生産を始めたのと同じように

権力者が意図しない出来事を通して

また別の意志を持つ者が

まったく新しい推進力を世に放つ


義務教育が悪い訳では無い

道徳洗脳も同じで

この世界でも稀な平和国家は

その指導要領が作っていると言っても

過言では無いだろう


結論を言うと何を最初に学ぶのかで

その社会を形作る道徳が決まる

それは未来が決まるという事に等しい


これまでの歴史の中で

中東諸国は対立を繰り返して来た

それは世界がオイルという宝を

我先にと奪い合った副産物だ

恣意的な情報が

人の口を伝って拡がり

疑心暗鬼を生み対立を煽る


それは学校の教室でも

職場のオフィスでも起きている

人の口に戸は立てられない

誰かを鬼に仕立てる事が好きな人もいて

その先に何が起きるのかなんて

考えてもいない

ただ面白いから言うだけ


その意志とは無関係に

まったく違う作用で世の中は動いている


西側メディアという

強大な噂話が拡がらない

第3世界で起きた権力移行騒動が

この先どんな未来を創るだろう

西側の経済的な影響も受けずに

創られるこれからの新秩序が

世界中へ波及するかもしれない


まっさらな新雪の上を歩くと

足跡が残るが

どの一歩が無くとも

今いる場所へは辿り着けない事を

その足跡は教えてくれる


その一歩足りとも見逃さずに見守り

一歩また一歩と足跡を刻みながら歩んで行く

これから先のシリア国民が築く未来から

この世界は何を学ぶ事になるのだろう