木立の葉が落ちて
空っ風が吹き抜けて行く
そんな何もかもが色を失い
真っ白な雪の降り積もる
前触れのような無色の季節が
一番寒く感じてしまう
気温が氷点下へと下がり
目に映る世界がすべて白くなると
なぜか感じる寒さが和らぐ
視界によって齎される情報の
影響なのかもしれない
寒々しい無色の街並みを
真っ白な雪が彩ると
今年もまた冬が始まるのだと
体のスイッチが切り替わる
生い茂る葉に隠して
子育ての為の巣を作る鳥達の
歌声に包まれていた季節を
思い出しながら
すべての葉が落ちた時
雛が巣立ち役目を終えた
巣だけが残された裸の樹木は
静寂に包まれて
少し寂し気に感じられ
早く雪を纏いたいと
願っているように見える