時は金なりと言うけれど
人生100年のこの時代は
もはや金持ちばかり
作り出す事が出来ないから
いかに有益に使うのかが大切
何に費やすことが
自分にとっては有意義になるだろうか
子どもの頃
家の手伝いをする為に
その時間にしか放送しない
テレビ番組を観るのを諦めるか
手伝いをサボって怒られるか
その二択しか無かったから
自由に番組が観たいと願った
何かをするのは
別の何かを諦める事なんだと
思い込んでしまった
勉強は面白くなかったから
周りの大人達が言う
「学校の勉強なんて大人になったたら使えない」
その言葉に飛びついて
使えないならする必要が無いと思ったから
授業時間はただ時計を睨みつけていた
小学校を卒業する頃には
もう働きたくないという確固たる意志があり
大人になったら何になりたいなんて夢を
抱く事すらなく成人式を迎えた
その頃はとにかく
目の前の現実に対処するだけで精一杯
高校から専門学校へ進学したけれど
半年も持たずに退学
在学中に始めたバイトが生きがいになり
数年は楽しく過ごせていた
青春という言葉を思い浮かべた時
最初に浮かぶのがこの頃
とりあえず暮らせていたし
小さいコミュニティだったから
気楽に過ごせて快適だった
ただ好きかと自問すると
首を傾げてしまい
曖昧で不確かな気持ちになった
同じ場所でも
人が変われば雰囲気が変わり
居心地が悪くなって
いつもイライラするようになって
周りの人に当たり散らして
三行半を下されてしまったため
仕方なく他の仕事を探す羽目になった
運命の出会いというのは
よく聞くけれど
まさかあれがそうだったとは
後になって思い知る
「ただそれが清掃員ってどうなの?」
そんな思いを抱えながら
始めて作業着に袖を通した時は
まるで刑務所の囚人になった気分だった
事実その通りの生活に様変わりして
それまでの暮らしの有難さを痛感させられた
朝も昼も夜も関係なく
仕事があるだけまだマシ
とにかく出勤しなければ
時給を稼げないから
四の五の言いながらも働いた
若かったし体を動かすのは好きだから
今思えば確かに天職なんだけれど
何度思い返しても
あの頃には戻りたくない
始めて清掃作業員として
働いたバイト先の会社を辞めた時に
まるで刑期を終えた気分になって
テレビドラマの影響で前科者には
厳しい現実が待っていると思い込んで
他に働き口が見つかるのか
不安でたまらなくなったけれど
案外あっさりと見つかり
現実にもこんな甘さがあるものだと笑った
常に時給のアルバイトだったから
ひと月暮らせる金額になるまでの金額を
確保するのが面倒臭くて仕方なかった
集合した場所から現場までの
移動時間は給料が発生しないから
毎月給料明細の支給額を見るまでは
ひと月暮らせるかどうかが分からない
しかもその日の勤務時間も
その日の責任者の考え方次第で変わるから
自分では10時間働いたと思っていても
そうとは限らない
報告書を見たら就業時間が思ったより
3時間短かった時はこんなに感覚が違うとはと
驚いてしまうと同時に
今月の給料が心配になった
もちろん貯金など無いから
ひと月暮らせる金額に届かないと足りない
赤字という概念がないから
文字通り足りなくなるものだから恐ろしい
夏ならまだ何とかなるけれど
北海道の真冬に灯油代が無くなるなんて
あり得ないからまさに命がけだった
幸い命を落とすこともなく
今日まで生き延びているのだから
これまでの時間も
それなりの金額になるのだろうか
夜の寝付く前のひとときに
生きるのことの意味を考えても
また次の日も
寒中水泳みたいな感覚だから
答える前に藻掻くしか無かったし
結果としてそこに意味なんていらなかった
ただ何となく生きていれば
そのうちに何となく満足感が芽生えて
記憶を振り返るだけで
そこが絶望の向こう側だという事に気づいて
それだけで救われた気持ちになる
何も生み出さない半生
それでも時間だけは過ぎ去った
時が本当に金になるなら
それはいつ振り込まれるのだろうと思う
今日この頃