交わらないと思い込んでいたものが

交わるとどうなるだろうか


水と油を撹拌しても

ただ濁るだけで

時間が過ぎると

また分かれてしまうけれど

乳化剤を加えることで

離れる事なく一つになる


すべての壁と呼ばれるものは

思い込みが作り出した幻影に過ぎない

そうだとすると

すべてが溶け合い

混じり合うことも出来る筈だ


格差社会なんて呼ばれて久しいが

それは何も悪くはない

ただの現象の結果に過ぎない


成功者は一様に

何かしらの能力を駆使して

成し遂げる過程で

多くの人々の関心を引き寄せ

財を得ただけの事


何かしらの能力は

その優劣に関わらず

誰もが持って生まれる

その能力を才能と認識し

見合った選択や行動を継続した

個人が多くの場合

成功者と呼ばれるのだろう


才能は観葉植物のように

ただそこへの置くだけでは

いつか枯れてしまう

曖昧で儚い小さく燃える灯火

その炎を人は情熱と名付け

熱く滾るマグマへと進化させるべく

何かしらの行動を続ける


何も難しい事はない

ただ何の気なしに続けている習慣

それが何かしらの結果に繋がっている

善と捉えるか悪と捉えるかは

個人の感覚なんだろう


体型で考えてみよう

痩せ型

中肉中背

ぽっちゃり

マッチョ

セクシー

表現は色々あるが

その結果は体質とルーティンの

合わさった現象


個人の価値観によって

どの体型を好むのか嫌うのか

まったく関心がないのかに

分かれるだろう


経済的な価値観でも同じ事が言える

不自由のない暮らし

裕福な暮らし

不自由な暮らし

どれを選ぶのかは個人的な感覚

それとは別に能力による現象によって

望まない生活を余儀なくされる


多くの場合理想と現実には

大きな隔たりがあり

ある個人の理想的な生活を送る者に

嫉妬心を抱き

目の前の現実を忘れたいと

願う事も往々にしてあるだろう


格差と力はここにある

いつかは自分もあの生活を手に入れる

その思いが活力になり

前進する気力を生み行動に移させる

では理想を手に入れた側はどうだろうか

目の前どころか

理想の中で暮らす毎日とは

どんな気持ちを生むのだろう


もう十分なのか

失う恐怖なのか

まだ見ぬ理想なのか


欲望と恐怖心が

人間が起こす現象の源泉ならば

格差の上下に

大差はないのかもしれない

現に経済格差なるものは

金銭感覚を持たない幼子には

何の影響を与える事も出来ない


個人によっては

一生を経済的に恵まれた環境で終える

資産家の子として過ごし

破産する事なく終える事が出来れば

何の苦労もなく生きたと言えるだろうか


体型に関しても

ある個人はぽっちゃりを愛し

ある個人はマッチョを愛す

しかし体型に関心がなければ

体は動けば良いかもしれない

五体不満足ですらなくとも

不便なく暮らせるかもしれない


これまでの人類の歴史を振り返っても

おおよそ多くの人々が幸福に暮らしていた

ただ隣の家の芝生が青く見えてしまい

もっともっとという欲求に贖いきれずに

行き場を失った人心が革命を引き起こした


おそらく平和とは

思い込みなのだろう


誰もが同じ暮らしをしている

そう思い込めさえすれば

嫉妬心に支配されることも無く

穏やかな暮らしを送れるのが

まだ見ぬ世界には

もっと良い生活があるという

思い込みが好奇心と結びついて

他人を踏み台にしてまでも

手に入れたい衝動を生む


様々な情報源から

世界中の人々の生活を見ると

その環境に合わせて

実に器用に生きている


金持ちも

貧乏人も

同人種も他人種も

他国でも

砂漠でも

海でも

山でも

南国でも

雪国でも

そこで暮らすために必要なものが

どのようにしてか手に入る

だからその環境で暮らせるのだと

思い込みさえすれば

もはや自分の生活を変える必要など

無いことに気がついてしまう


物理的な隔たりなど存在しない

あるのは自分の欲望と恐怖心

この2つを満たすことが出来れば

決して交わる事の出来ない人々の心も

白くて甘い

アイスクリームになれるかもしれない