発明好きのおじさんの

超知性というものの話を聞きながら

ランチを食べていたら

何となくすべての感覚が繋がった


もちろんその話の

1パーセントだって分かってやしない

理解なんて出来ない領域の

ファンタジーなんだけれど

ただ食べている間

ずっとその話は聞けていた

分かりもしないのに

つまらない話なら聞かずに

すぐ次の動画へ移動すれば良いのに

何なら食後の

コーヒータイムまで聞いていた


おそらく話し手のおじさんの

感情が心地良かったのだろうと思う

相手が人だろうがAIだろうが関係なく

負荷を掛けてみては反応を見るのが好きで

最新のAIに難しい質問をしたら

答えるまでに75秒掛かったと驚いていた

思わず「その時間を計っているあなたに驚くわ」と

一人で突っ込んでしまう始末



清掃作業員だから

街中で掃除をしてしていると

赤ちゃんの抱っこ紐の向きが

前向きになっているのが気になって

まるでロボットのコクピットのように

抱かれている子を見つけると

親御さんは赤ちゃんが右を指差すと

その先に何があるのかと歩き

赤ちゃんは目的の何かに出会えるのかと

いつも想像してしまい

もしもそうなら

その子はきっと楽しいだろうなと

思って羨ましくなっていた


すべてのものに

自分で考えるAIが搭載されると

どうなるのかと考えると

きっと何も変わらないと思う


現状ですら博士号レベルの知識を

持っているらしくて

そのうち人間では

辿り着けない領域の存在になる

その能力を使うには

発想するだけで良いらしく

それをどうやって実現させるのかも

勝手に考えて実行してくれると言うけれど

それって赤ちゃんなら誰しもそうだろう


泣くという行為だけで

すべての願いが叶ってしまう


親御さんの観察力や

色んな子育て経験者の知恵や知識を

文献に残して学べば誰しもが

赤ちゃんを満足させられる

もちろん求める事が少ないという事も

あるかもしれないけれど

誰しもがそんな体験を経て今に至っていて

記憶には無くても無意識に刻まれていて

その感覚に正直な人が

おそらく人の上に立っているのが現状


何も暴力的では無くても

自己主張はしたもの勝ちで

その依頼を達成する喜びに敏感な人が

労働者向きサラリーマン向きなんだろう

落ちこぼれ前者の私は

あの発明好きのおじさんみたいに

何かしらの負荷を掛けてくる人が苦手だから

こんな街中で掃除機を掛けている


たとえば階段を

ほうきで掃くのと掃除機をかけるのと

どっちがラクかと言えば

掃除機かと思いきや

案外そうじゃなかったりもする

何を持ってラクに感じるのかは

場所や道具によるところが大きい


横幅の広い階段を

ゆっくりと丁寧に掃除するなら

ほうきのほうが断然ラクだし

細い階段をゆっくりと丁寧に

掃除するなら掃除機のほうがラク


横幅が広いと下からでも上からでも

半分づつ作業ができるから

軽いほうきと塵取りで掃き取り

細い階段は上から掃除機をかける

なぜ上からなのかと言えば

コードレスのバッテリーが重くて

下からかけると腕が痛くなる

小一時間ならどうでも良くても

数時間同じ筋肉を使い続けるとなると

腕が悲鳴を上げてしまう


ちょっとした事でも

経験や想像力がなければ

何度も腕の痛みに

耐え続けなければならない

ちなみに私は一ヶ月間

色んなやり方をして

ようやく今のやり方に辿り着いた


超知性を持ったAIが

生まれた時からそこにいて

すべての質問に答えてくれるなら

こんな間抜けな一ヶ月を

過ごす事が無くなる

聞かなくても最適なやり方を

勝手に教えてくれる


そんな時代になれば

人が実行する事などないのかもしれないが

あえて言えば考える前に答えがある


その感覚をはどんなだろうか

超知性とはどんな存在なのだろう

スマホみたいに

持ち歩く事もあるだろうが

おそらく体の中に埋め込むような

もしくはコンタクトレンズ型の

スマホみたいに目に被せるのかな


いつも一人であちらの自分と

こちらの自分で話している感覚だと

どちらも同じだから

それ以上の答えはないけれど

もしもあちら側の自分に

超知性の感覚が芽生えると

こちらはただその感覚に従えば

最良の答えに辿り着けるのだろうか


今の現実から考えてしまうと

どうしても自分で

もう考え無くて良いと思いがちだけれど

出会いが幼いと色んな質問の答えから

余計に考えることが多くなって

忙しくなりそうな気もする

必要に迫られない感覚で暮らすとは

どんな感覚だろうか


こうやって書くと

いかにも考える事が多いように

捉えてしまうけれど

今だって分からないことは

すぐに検索するし動画だと

より分かりやすく解説してくれるから

あまり自分で何かを考える事は少ないから

そんな感覚になったとしても

あまり今と変わらない気もする