あれが欲しいこれが足りないと

求め続けていたけれど

実際に手にすると

そうでもない物ばかりな事に

気づくまでは楽しかった


結局は知らないだけの好奇心


バブルの真っ只中に生まれて

物心つく頃にはお祭り騒ぎの時代

楽しいのが当たり前で

誰よりも楽しんだ者が勝つ

そんな感覚を捨てられずに

泡が弾けてからも

ずっと夢を見続けていた


夢の中にいるから

苦労というアクセントが欲しかった

六畳一間で一人暮らし

そんな惨めな生活に憧れたから

簡単に叶ってしまった


栄光の未来は涙ぐましい努力と

惨めな貧乏暮らしの先にしかないと

本気で信じて今も暮らしてる

けれど栄光の未来ってなんだろう


あの頃憧れたのは

苦労をして大切な何かを

手に入れるイメージだけで

それが自分にとっては

何なのかなんて考えてもいなかったから

未だに見つからない