一人で暮らしていると
感覚が止まったまま時間が過ぎてしまう
大家族時代の子供は
家の中で常に目の前の未来を見て過ごしていた
祖父母や両親
上の兄弟や近所の人達という未来を
常に意識しながら
いつか自分もああなるんだと
疑う余地のない未来がそこにあった
核家族化が進み
一人で留守番が出来るようになると
何となく忙しい親の望む事が伝わって
一人で大丈夫?と聞かれたら
大丈夫と答えることが当たり前になり
孤独に慣れ親しむ時間が出来る
それは不幸とは限らないけれど
本人も意識しないまま
時の止まった部屋で過ごすという
体験をしてしまう
それが心地良く感じれば
そこから出たくなくなるのも分かる気がする
物心もないまま
保育施設に預けられて育った人は
誰を未来に描くのだろう
家庭なのか施設の人なのか
どちらが彼らにとっての
安住の場所になるのだろうか
できるならどちらも
安心できる場所であってほしいけれど
好き嫌いは人にもよる
幼い頃からより多くの人と
関わることは未来の選択肢を広げる
幼心に抱いた憧れを信念に生きる
それが人生だとすると
幼い子供の孤独は
時間を止めてしまうのだろうか