北海道の冬は痛みを伴う寒さ

その痛みに耐える事で得られた教訓

それは継続した努力の先にしか

未来という道はないという事


雪が積もれば雪かきをしなければ

道が閉ざされてしまう

家から出られなくなると当然

必要なものは手に入らない


本来は毎日自分が進む為の道を

作らなければならない

それは勉強や仕事

趣味や交流といった事への努力


いつだったか

一晩に何十センチもの雪が降って

家の扉が開かなくなっていた


無理矢理こじ開けて

家の前の雪をかいたけれど

1時間もしないうちにまた積り

1日に何度も雪かきをしながら

毎朝当たり前に出かけられる事は

当たり前ではないのだと

思い知らされた


年を重ねると

自分を維持するだけでも

常に努力を続けなければならない

そうしなければ衰えてしまう


子供や若い時には

去年より今日のほうが成長し

来年はもっと出来るようになると

感じていたけれど

ある時を境に体力的な成長は止まる


それを無意識に感じて

今を維持する事に目標を切り替える

老いを感じるというよりも

限界を思い知らされる感覚で

認めたくないという思いが頭を過ぎる


けれどもあの

いつ止むとも分からないまま

雪をかいていた時に

自分の限界を超えても

この雪が降り続いたらどうなるのか

道は閉ざされどこへも行けない

そんな恐怖に心を蝕まれる


南国の台風は

毎年のようにやって来る

そのたびに備えて

過ぎ去れば心も晴れる


私はやる気のない

平和ボケした人間だから

毎日当たり前に

家を出たらその道があるものだと

思い込んで何の感謝も出来ないから

この北の大地へと連れて来られた


雪に閉ざそれまいと

懸命に努力する人達の姿を

幼い頃から目にしていたのに

その努力の意味や重さに

気づくことが出来なかった


ようやくその努力の賜物が

この街の景色なのだと思い知らされ

自分がこの土地へ来た意味を知る