一見すると大した事ではない物事を

ことさら大袈裟に宣伝しているように見える


地震情報もその一つ

大きな被害が出たら騒ぎ立てて

悲しみや悔しさを連鎖させる


それは多くの人に知らせて

支援を募るという目的もあるかもしれない

けれども今後数十年の間に

マグニチュード9クラスの大地震が

発生する確率が80%とか言われても

いまいちピンとこない


これから先の未来に

その場所で大地震が起きるのは

間違いないけれど

だからといって別の場所へと

引っ越しをする費用を

誰かが負担してくれる訳でもないから

何となく住み慣れたその場所から

離れられずにいる人がほとんどだろう


インタビューされた人も

地震には備えていますと言いながら

ホントに起きるとは想定していない

避難誘導の担い手だって

おそらく地震が起きたらパニクって

こんな時だからといって

互いを庇い合いながら傷を舐め合うだろう


いわゆるこれが平和ボケ


戦争を放棄してからこの国は

災害以外に大きな問題に直面して来なかったから

どんなに悲惨な戦争が海の向こうで起こっても

どこ吹く風でのんべんだらりと暮らしている

街中で暮らしていると

襲ってくるのは熊やイノシシくらい


それも稀な話で

何かに対応しなければならないという

事態に遭遇したことが無いから

災害のように分かり易い被害を受けると

やれ避難所の設置が遅いとか

隣の被災者がうるさいとか

文句を言えば誰かが何とかしてくれると

本気で思い込んている


その証拠に

例えばショッピングモールのフードコート

荷物を席に置いて場所を確保してから

注文をする為にその場を離れる

その荷物を盗まれるとは考えない

確かに義務教育で習った通り

他人の物は盗んてはいけないと教わったから

誰もそんな事はしない

だから警戒もしない


街中でイヤホンをしながら

スマホを見つめて歩くなんて

警戒心がありませんと宣伝して

歩いている

前も見ないから

わざとぶつかっていちゃもんをつけられる

なんて事にも無警戒

確かに今の時代そんな人はいないから

備える必要がない


それで良いのだろうか


南海トラフ地震への警戒情報を

あえて宣伝する意味があるとしたら

国民の警戒心を

測る狙いがあるのかもしれない

もしそうなら政府にグッジョブと

言って上げたい


信じる者は救われるかもしれないけれど

この世界から卒業という形で

救われても嬉しく思えるのだろうか


もう何十年もの間

言われ続けたグローバル社会が

本格的にやって来る

その時に自分たちの常識が

外国人も同じだとは限らない事を

国民へ周知しなければならない


他人と信頼関係を結ぶのは

とても素敵な事だけれど

すべての人を

受け容れるのは危険も伴う行為だと

知る事も大切だから

国を挙げて備える必要がある

そもそも信頼関係を結ぶというのは

とても高難度のミッションだからこそ

価値があるんだろう