五感で捉えている影響を

無意識に取り入れてしまう

何気なく見ている景色や

行き交う人々の姿

耳に入る言葉やその表現


久しぶりに土の匂いを感じると

懐かしい気分になり

何気なく入った食堂の味噌汁の味で

いつかの思い出が甦る


ときどき無性に温もりを求めるのも

それが心に安らぎを

与えてくれると知っているからだろう


環境によって言動は変わり

暑ければ薄着になるし

寒ければ厚着をするように

意識をしなくても

周りの変化に順応している


そんな習慣が自分に与える影響は

静かだけれど確実にあって

常に老い続けているという現実を

いつもは忘れているけれど

間違いなく最果てへと歩んでいる


どんなに頭の悪い人間でも

情報を分析しながら

自分にとって最善の選択をしている


たとえそれが

不幸へと繋がる選択だったとしても

本人には最善策で

自分を幸せにするには

自分を知り

何が好きで何が嫌いか

何が出来て何が出来ないのかを

正しく評価して

あらゆる不幸を遠ざけなければならない


人間は一人では生きられない

それは現代においても変わらない

とりわけ現代においては

社会という枠組からは逃れられない

学校や職場や家族そのどれか

もしくはそのすべての影響下でしか

生きられないから

必ずその環境ならではの影響を受けてしまう


感覚や考え方の違いは

過ごしている環境の違いで

話す相手が変わるだけで

簡単に自分の感覚は変ってしまう

習慣や言動も

気がつかない内に変わっている


久しぶりに会う相手と

話をすると自分の変化に気づく

たとえそれが苦手な相手でも

現在地を知るには有効な手段だ