誰かの存在を意識しないで
日々を過ごしていると
この世界に
一人きりになった気分
家族や友人はいない
職場にしても
基本的には一人で作業するから
あまり同僚とも関わらない
誰かと話しをするのは
何かしらのトラブルが起きた時
だから他人と関わる事を
面倒事として捉えてしまう
レストランでは
タブレット注文が好きだ
誰とも話さないのが良い
自分のペースでメニューを眺め
ゆっくり選べるし
配膳もロボットで支払いもセルフだと
店員と顔を合わせる必要もない
どんな店舗でも
店員の嫌な態度に腹を立ててしまう
そんな狭量な性格の為か
関わらなければ腹も立たないから
ずっと自分の世界に居られる
そもそも好きじゃないから
そこに誰かが居ても顔を見ない
毎日通っている店の店員すら
顔を覚えていない
コロナ禍からマスクをする人が増えて
そもそも顔が見えないから
余計に見なくなった
口元は動かないのに
声は聞こえる
顔の下半分が見えないと
まるでロボットと同じ
改めて考えると
未来感が半端ない
無機質な店舗で
制服姿のマスクをした店員に
商品説明をされると
昔観たSF映画みたいで楽しくなる
床から照らされた照明が
余計に店員を異物化させ
女性はメイクをしているせいか
みんな同じように見えるし
男女問わず髪の色も
アニメーションちっくな
その色合いが現実感を消す
AIロボットが
人の仕事を奪うと言うけれど
太古の貴族からすれば
あらゆるロボットが
生身からメタルへ変わるだけで
本質はなにも変わらない
ロボットが権利を主張し
義務を果たして豊かさを築き
その恩恵に支えられて
生きているただそれだけの事
別に
孤独を愛している訳じゃない
ただそれしか知らないだけ
自分を人間という
枠で捉えたことがない
目で見えるものが全て
それはVRの世界
見えるけれど触れられない
多くの場合
それは違和感として捉えられる
けれど
私にはそれが現実