大昔の王様からしたら

ロボットだのAIだのと言っても

あまり有り難くはないだろう

必要な事は

すべて誰かがやってくれるし

興味のある事は教えてもらえば良い


むしろ職人と言われた

人達がロボットで

感覚的に正確無比な製品を作り

AIのような明晰な頭脳を

持つ人が制度を整えたりして

社会という互いを監視して

律し合う世の中を

創ったような人達のほうが

有り難いくもあり

存在意義を奪われるという

脅威にも感じているかもしれない


感情というバグが

玉に瑕な人類の弱点を補うであろう物が

ロボットなりAIってだけで

地球的にはようやく調和が保てると

ホッと胸を撫で下ろしているかもしれない


ハイスペックな人もからすれば

民主主義なんて邪魔なだけ

突き抜けて優秀であれば

関係ないかもしれないけれど

大抵の場合は

周りに足を引っ張られると

蜘蛛の糸状態に陥り

なかなか克服出来ない


それなら王様になって

誰にも邪魔されずに

必要な材料を揃えて

集中しながら

何度も試行錯誤をして

便利なものなり

制度なりを作ったほうが

早く成果が得られる


現にインターネットやら

プログラミングやらを

得意とする人達は必要最低限

むしろ一人でも

その仕組みを組み立てられてしまうから

あっという間に

世界をリードしてしまった


暴力の蔓延った

原始の時代のモブなら

頭が良かったり

手先が器用な

自分には出来ない事が出来る

そんな人間がさぞや恐ろしかったろう

幼いときに

大人という圧倒的な存在に

振るわれた暴力の記憶は

生存競争の本能が色濃く残る

原人には災害のようなもの


しかも子供が

大人に感じる力強さや

能力への憧れは逆に捉えれば

防ぎようのない

攻撃になる可能性がある

そんな存在を

本能が野放しにはしない

だから他人の足に枷をつける

出る杭は打たれ

キレイに横並びに整えられる


人類は整えられた柵に囲まれた

牧場で互いに牽制し合いながらも

1日一歩3日で3歩進んで

なぜか一度2歩戻りまた一歩進む

そうやって少しづつ前進をし続けた

そして今ようやくと

一つの終着点へ辿り着こうとしている


すべての人類が王様となって

ロボットなのかAIなのか

はたまた違う名前がつくのか

よく分からないが

とにかく完全とも思えるような

システムが完成し

自らお城という名の柵の中で

死ぬまで生きる存在に成り上がるのか

下がるのか

その捉え方はそれぞれ