愛とはなんだろう 

どんな感情なんだろう

分からない 

だから考えてみた


おそらく愛とは

子供心に宿る感謝ではないか


空腹を感じたり

オムツが気持ち悪かったり

怖い夢を見たり

嫌な事を取り除いてくれる存在に

赤ん坊が向ける感情


泣いたり

おねだりしたり

伝えるだけで

問題を解決してくれる

そんな存在に対して

向ける信頼


誰しも赤ん坊から

幼児へと成長し

それまでのすべての時間を

誰かに頼りながら過ごす

そしてその頼もしさを知り

力強さや能力に憧れる


多くの場合

幼い子供は大人に

可愛がられる

それが親であれ

家族であれ

他人であれ

関係ない

大切なのはその誰かに

子供が懐く事


すべてを委ね

心の底から

安心をもたらしてくれる

その存在に向ける気持ちが愛


心が出来上がる前に

傷つけられると

自分以外の存在に対して

疑いを持ってしまう


ましてや

それが脅威となるなら

ピュアな心で

外敵とみなしてしまう


自分以外の存在に対して

信頼や感謝を抱く前に

疑念を抱いてしまったから

愛が何なのか

分からないのかもしれない


ここ数年間

心の流れを遡り

何かを探していた

それが何なのかも分からずに

ただ探していた

そうせずにはいられなかった

確かに必要なその何かが

幸せになる為には必要だと

確信があったからだ


心の扉を

何度となく開け放ち

必要なら当時過ごした

場所へも赴いた

それが何かも分からないけれど

確かに何かを

取り戻しつつある

実感はあった


毎日の現実を過ごす為に

信頼や感謝は欠かせない

その気持ちが無ければ

社会がただの生存競争の場に

なってしまうからだ

ある意味それは自然で

人類以外の動物は

常にその環境で過ごしている


幼い頃に

家畜に憧れていたから

自分がそう思うのも

また自然な感情なのかもしれない

けれど

そこから脱出したい

そう思い始めた


だから足掻いた

開けたくもない

パンドラの箱をひっくり返して

無くしたものを探していた

それが何かも分からずに