子供は親の作品
なんて事を言う人もいるけれど
確かに幼い子供にとっての
家庭は世界のすべて
その世界の住人である家族の
影響を受けながら成長するから
そんな考え方もあるのかもしれない
そうだとするとご多分に漏れず
自分もそんな作品の一つではある
母親の連れ子として
5歳になる年に養子になった
実家では経済的に何の不自由のない
暮らしをさせてもらったけれど
家族には一切懐かなかった
幼いとはいえ
都会の環境で育ったから
田舎の生活が苦痛で
そのストレスを抱えながら
知らない家族と暮らすのは
本当に辛かった
四十年前は
今ほど言葉という物に
拘る人が少なくて
田舎の人達からすれば
悪気は無い言葉でも
幼い子供にとっては
それまで言われたことがない
否定的な言葉を言われるから
癇癪を起こして反発していた
田舎だから
そんな子供がいたら
家族だけでなく
近所の人達にも噂は広がり
「東京のガキはクソ生意気だ」と
よく言われた
神奈川から引っ越して来たから
それを伝えるとまた怒られた
なんで知らない人から
こんな事を言われるのか
家族が愚痴を誰かに言うと
それをまた違う誰かに言う
その繰り返しで
学校帰りに歩いていると
車を横付けされてバカにされる
そんな事もあった
環境のせいにしても
誰も責任なんかは取ってくれない
ただずっと
愛された実感は持てなかった
そんなものがある事すら知らない
そんな子供だから
誰も受け入れずに育ってしまった
両親を始め祖父母や兄弟
親戚に至るまでの
その家に関わる人達が嫌いで
でも親戚はお年玉をくれるから
便利な人だとは思っていた
今考えれば
それはその家の子供という立場の
お陰だから感謝しなければとは
思うけれど未だに好きにはなれない
家族を恨んでいるのかと
問われれば違う気もするけれど
好きか嫌いかで言うと嫌い
そんな感覚が今も続いている
まったく親近感の無い家族
でもその考え方や
行動や思考パターンは
しっかりと自分の中に根付いていて
口が悪いのも彼らの真似をし続けた結果
これまでの自分は間違いなく
彼等の作り出した物に間違いないから
そこを変えるには
自分で創るしか無い