幼い頃は人よりも

牛に親近感を抱いていた

いや憧れていた

食事は勝手に運ばれてくるし

毎日散歩だって出来るし

しかもその間に

寝床の掃除だってしてもらえる


学校に行くこともなく

言うことさえ聞けば

怒られることもない

最近はちょっと

その憧れの生活に近づけている


酪農が家業だったから

普通に牛小屋が遊び場だった

四十年前でも

牛の水飲み場は自動だった

牛が口をつけると水が出る仕組み


フードコートで

水を飲もうと

紙コップを金具に押し付けると

水が出る仕組みは

まさに牛の水飲み場と一緒


とうとう憧れの

家畜生活が実現して久しい

今日この頃

ベーシックインカムが

本当に実現すれば

子供の頃の夢が

また一つ叶ってしまう