初めてのことに出会うと

戸惑いを隠せない

自分の普段は使わない部分を

使うからしっくりこないし

とても疲れやすくなる


幼い頃はそんな出会いが

毎日たくさんあって

自分の知らない自分を知り

夜になると眠くて仕方なくて

夕食時にはコックリしていた


そんな経験を元に

好き嫌いや得手不得手を

知っていく


経験を積むと

大概は苦手な事には近づかない

疲れるし面倒臭いから

出来る事の中で暮らすだろう

そんなことは分かっていた


それなのに

まったく経験の無いことを

仕事にして

今まさに四苦八苦している


今年46歳になったけれど

三十代しかも前半だと勘違いされる

見た目の影響もあるだろうけれど

この年齢になって

まったく出来ない事をしているから

その態度が幼く見えるのかもしれない


自分でもまったく

作業内容を覚えられなくて

驚いている

落ち着いて作業の手順を

繰り返せないというのも

あるかもしれないけれど

それにしても覚えが悪い


プライドも捨て切れない

ひと回り以上も年下の先輩に

あれこれ聞きながら作業をする

分からないことばかりだから

聴くことが多い

もちろん相手も作業をしているから

何となく同じことを

何度も聞くのが心苦しい

でも分からないからは

聴くしかない


聞けば良いんだけれど

自尊心が邪魔をする

頼る度に自分が情けなくなる

焦っても覚えられない

そんな繰り返しが続いている


作業内容を覚えさえすれば

定時で上がれるから

働きやすい職場ではあるから

何とか早く仕事に慣れたい


それにしても自分がこれほど

他人に頼りたくないと

思う人間だと自覚したことが

無かったから新鮮な感覚ではある


これまでの人生を振り返っても

無意識に人に頼らずに

頼らないで済むようにしていたのかもしれない

こんなにもプライドが傷つくのを

恐れていたとは思わなかった


新しい職場で

経験の無いことをする

それはもう子供の頃と同じ

教えてくれる人が

年下とかも関係ない

自分の感覚が幼い頃に戻っているせいか

あの頃教わっていた学校の先生も

今の自分よりも年下だから

何となく言動も

子供っぽくなっているのかもしれない


失敗続きで

落ち込んでいる

それでも不思議と

逃げ出したいとは思っていない

これまでは

嫌ならすぐに辞めてしまったけれど

そうは思わない何かが

ここにはある


毎朝気が重い

けれど諦めたくもない

プライドを捨て

恥をかく覚悟が必要だ

プライドなんてないと思っていたけれど

その塊だったと知った今日この頃