朝の8時に勤務が始まる

まず各階リネン庫の解錠と

3箇所の製氷機に

紙コップを補充して体をほぐす


そんな準備運動を終えて

ここからが本番


シーツやバスタオルなどの

リネン類を

各階のリネン庫へと振り分ける


身長くらいあるコンテナを

エレベーターで移動しながら

各階へ配る訳だけど

これが重いのなんのって


コンテナ移動も重いし

デュベと呼ばれる掛け布団カバーが

一番の強敵で

一台のコンテナいっぱいに

積まれていたら

動かすだけで

全身の筋肉を酷使しなければならず

ここでもう体から悲鳴が上がる


コンテナの中は

結構深くて

底の方にあるリネンを

取り上げる時に腰に負担がかかる

しかも相手が

強敵デュベならなおさら辛く

だいたいこの時点で

体中にエマージェンシーコールが

鳴り響く


10時ぐらいに振り分けが終わると

もう限界は超えているが

ベッドメイクはここから始まる


他のスタッフは

9時から作業を開始しているから

そこへ合流する

そしてあとは

ひたすらベッド作り続ける


常駐スタッフだけでは

手が足りないから

ほとんど毎日

派遣スタッフや

会社からの応援スタッフが

入り混じり作業するから

誰がだれたか分からない 


だから

一人一人の顔を覚えるのは

はじめから諦めている

ただ昨日は週末で

会社の偉い人達も

応援に来ている事を知らずに

無愛想に挨拶をしたら

本部長だった


いつも長いものには

巻かれようと思ってはいるのに

なぜか逆な行動になってしまうのは

何でだろうと考えながらも

ベッドメイクをし続けて


3時半くらいにようやく

ベッドメイクは終わった

ここまで来ると

もう抜け殻で動きたくはないけれど

客室の掃除は続いているから

その手伝いや片付けをして

最終的には6時前に作業終了


ほっとしたのも束の間

朝に解錠した扉に鍵を掛け

上司が報告書を作り終えるまで

待機する

これが一番面倒くさい


たまに

予定外に宿泊客が退出して

作業をするのを忘れている部屋が

あったりするから

チェックが終わるまで

待機していなければならない

もう眠くて仕方ないし

これからの作業なんて

基本無理よ状態で

やっとこさ一日が終わる


ホテル清掃恐るべし

しかし

どうしてあそこまで女性は

頑張れるのだろうと思う

はじめて3日で

文句しかない出てこないのに

長く働いている彼女たちの

体力は半端ない

子供を産み育てる存在だから

なんだろうか