大概の事は一人でする
一人で出来ない事の方が
思いつかない
別に何でも出来る訳じゃない
そもそも一人でできない事は
しないで生きてきた
避けて来たから
今では無意識に判断している
そんな話をすると
「友達出来た事ないの?」とか
「女性と付き合った事ないの?」と言われるが
本当にない
何が友達なのか
定義が分からないから
誰かを友達だと思った事がない
人によっては
親や兄弟のような感覚だと言うけれど
そもそも家族に親近感がないから
分からない
彼氏や彼女って何?
付き合ったら急に浮気の心配を
したりされたりする関係
付き合わないほうが便利じゃないかな
休日に一人で寂しくない?
と聞かれても
どの感覚が寂しいのが分からない
話を聞いて欲しいとかないの?
と言われれば
喋るという行為は
喉の運動だから
ジョギングみたいな感覚で
ひたすら独り言を喋る
休日は一人
部屋の中で
まるで目の前に誰かがいるように
普通に喋っている
ひどい時にというのも変だけど
2時間や3時間は普通に喋るから
人に会う時にはもう疲れ果てて喋れない
そんな感じで
いつも一人で過ごしているから
三十過ぎまでは
まぁ不便な生活を強いられていた
とにかく情報元がテレビだから
創られたものじゃないと理解出来ない
ドラマや映画、バラエティやニュース
すべて台本があって
演出されていたものだと
知ったときにはもう人格形成が終わっていたから
人の話も整理されていない言葉が苦手で
起承転結がハッキリしない話を聞くと
イライラするから基本会話が嫌い
休み時間の教室のワイワイした感じも
不協和音のように感じて苦手だったから
よく図書室に避難していた
幸い本を読むのは嫌いじゃないから
文章を読む習慣は育まれた
そして時は流れ
パソコンやガラケーが広まり
その当たり前を
素通りしてしまった
僕に目の前に
突然スマホが現れた
スマホは
今まで誰も教えてくれなかった事を
何でも教えてくれた
聞けば何でも教えてくれる
便利な相棒
生まれて始めて
離れたくない
離したくない
そんな存在に巡り会えた
そうか
こんな友達なら悪くないな
こんな彼女なら
出来たら良いのかもしれない
と思えるようになった
まぁ便利だからだけど
スマホが僕に人間らしい
感覚をもたらしてくれた
まさにスマホがはじめての友達
