あの日、楽しい3日間が始まりました。
夕刻の山はは、雲に包まれ
唐松頂上山荘では穏やかな時が流れています。
私達は山頂に登り、
今日は明日から始まる3日間のキレット越えの第1日目、
明日の天気に希望を持って
空を見上げたりして小屋へ戻って来ました。
夕食後、雲と山とが織りなす素晴らしい景色を堪能して
就寝となる。
空には雲が低く立ち込めていましたが、
足取りも軽く雲海の上の登山路を移動します。
五竜岳山頂で十分に体を休ませて
ザレタ急な道を下ります。
路傍の花に見とれて
体勢を崩せば
風船がハイ松の上を転げ落ちすように
ふわりふわりと跳ねながら谷底へ・・・
そんな話をすると・・・
「想像するだけで身がちじみます。」
岩の道には鎖が幾つもも設置されてあります。
そんな所は安心ですが
鎖が無く、岩に手を添えて登るような個所
気を緩めてはなりません。
しっかりロープを握って
絶対に間違いは許せません。
張りつめた気持ちを調整するように
時には記念写真をカシャリ!
岩に足を乗せ、手で岩とのバランスを取り
そんな時間がずっと続きます。
岩場では3点支持と言いますが、
手が頼りなくても
足がシッカリ岩角に乗っていれば
2点でも落ちることはありませんが、
片方の足がスリップなどでバランスを崩せば
もう片方の足と手で体制を取り戻すことは
本当に難しくなります。
大切なのは何といっても
足を置く場所ですね!
休憩を何度も挟み
弁当を2回に別けて食べ
行動食を食べて
八ケ岳の硫黄~赤岳と
比較するっことが間違いのように思いますが
長くて何倍もの時間と体力を必要とします。
さすがにアルプスの名前が付けられた山域です。
越える尾根が大きいし長いんです。
先ほどから鹿島槍の東尾根がずっと見え
そろそろ小屋へ着く頃と思って
尾根を越えてもまた尾根
そんなことの繰り返しです。
今日は曇っては居ても雨は無し
これが雨だったらと思うとゾッとします。
登山道の殆んどが富山県側にあり
風雨を防ぐところは本当にピンポイントである程度のため、
辛い山行になること間違いありません。
期待を持って尾根を越えると小屋がありました。
みなホッとして小屋の写真を撮っていました。
あそこがキレット小屋です。
あそこが今夜の宿です。
「着いた~!」
安堵のため息と言葉がこぼれ胸をなでおろしです。
小屋ってあり難いですね!
後編へ続く