2016・10・11   皇海山 | 高橋 丈のブログ

高橋 丈のブログ

山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

皇海山をスカイサンと読める人は山に詳しい人であろう・・・。
深田久弥は深くて静かな山とも言っています。

そんな皇海山へ長野のみな様と登って来ました。
吹き割の滝から林道を車で1時間近く走ると皇海橋登山口がありますが、
何と通行止めでした。

そのため、南に位置する根利集落からバスで入り、
延々と悪路を2時間近く掛りやっと到着です。


             (黄色い橋が皇海橋です。)
長野からやって来た皆さんは2時間ほど高速、そして2時間近く悪路が続いて、
さぞ疲れたことと思います。

林道を少し歩いていざ登山開始となります。
すぐ不動沢の渡渉があります。
この皇海山の登山道は不動沢沿いに道があり、
2回3回と渡渉を繰り返すこととなります。
しかし、登山道が少々濡れているためスリップに注意しないといけません。
皆さんは石の上をチョンチョント渡り動作も安定しています。

不動沢の途中には小さなナメ滝があり、それを見ながら・・・
滝に3本の水流があるのが3条の滝
滝が3段になっているのは3段の滝
滝がくの字になっているのはくの字の滝
そんなことをお話しながら登って行きます。

沢が分かれていたりしますが、赤テープがあり安心して進路を選べます。
時折、鹿の鳴き声も聞こえて来ました。
今が繁殖期でオスがメスに対して鳴いていることと教えて頂きました。
そして春に出産、夏には豊富な草を沢山食べて成長時期となるそうです。
小鹿が飛び跳ねながら、
母鹿の回りで遊んでる姿なんか見てみたいものです。


沢ルートの殆んどは最後が急登になりますがここも例外ではありません。
不動沢のコルまでが急登になり、太いロープが設置されてあります。
両サイドは熊笹が繁茂し、登山道は深くえぐり取られています。
木の根っこなども活用しながら息が上がる頃にはロープも終わり、
コルへ到着します。

ここは広い休憩適地です。
大方の皆さんは一息入れる箇所と思います。
私達も小休止です。
用意されたお弁当を広げ半分ほど食べました。

悪路で2時間近く掛ってしまい、昼食休憩は2回に別けて取り、
時間の調整です。
今回は霧が掛り、鋸山は見えませんでした。
雨でなくて良かったと思えばなんてことないです。
皆さんの気持ちは一同じでした。
全くです。
殆んどの人が「今年の9月は雨にやられた。」と話してました。

そんなお話をしながら今度は尾根にある道を登ります。
広い尾根の道で安心して登ることが出来ます。
針葉樹林の間を道は上へと続き、
少々広い箇所に太い倒木がある所で、
赤城山が見えるかなと思って振り返ると、
雲の上に富士山が見えていました。

後方から・・・「あれって富士山ですか?」
「え~ッ、」
振り返ると富士山です。
まさかこんな日に富士山なんて想像していた人は誰もいなかったでしょう。

一同
「やった~。」「富士山だ~!」

私は・・・
「写真撮りましょう!」


暫く顔を見せていた富士山でした。
「長野からわざわざ来たんだから、ちょこっと顔を見せてやるか!」
そんな富士山の心遣いだったのでしょうね。


今日は雨が降らなければよし。
そんな思いで登って来たのに富士山です。
良かったです。

そして勢いが増した皇海山登山隊は、どんどん、どんどん登り

落葉後の樹林のため、何とか展望がききました。
男体山や日光白根、そして翌日に登る上州武尊山も見えていました。

「こっちこっち、あの山ですよ」
そんな雰囲気の山頂でした。

私を撮って頂きましたが、少々疲れ顔でしたのでカットしました。

明日の天気も予報通り期待できそうで、皆さん元気が出た感じです。


下山ではテンポ良く下り不動沢のコルでは鋸山も顔を出してくれました。

群馬の西上州にある四つ又山に似ていますね!

(上の写真が四つ又山です。)

話を戻しましょう!
不動沢のコルで一休みしてロープの箇所を通過時
6~7人後方の女性のお客様が転倒してしまいました。
ロープが終わった箇所でした。
私が降りた時に・・・
2本あるロープのうち1本切って、下まで繋げようかと思いましたが、
大丈夫だろうと延長しませんでした。
ロープが終わった箇所で転倒してしまい、左側頭部を石に当てて打撲、
そして出血もありました。
頭頂部や前額部からの出血は着衣に血液が垂れると大惨事に見えます。

出血した個所を特定しないといけません。
見ると1㎝ほどの負傷部位から出血がありました。
滅菌ガーゼを当て伸縮包帯で直接圧迫止血です。
そして体幹を確認します。
「足をゆっくり動かしてください。」
「次は膝はどうですか?」
「右腕は大丈夫ですか?動かしてみてください。」
「左腕は・・・?」
「首に痛みはありますか?ゆっくり回すこと出来ますか?」

「ゆっくり立ち上がってみましょう。」
「それでは転倒したこと覚えていますか?」

そんなことで、
着衣に付着した血液を濡れタオルでふき取り
自力歩行可能なお客様と一緒に下山して来ました。


頭部打撲のためCT撮影可能な脳外科にての診察を考えて、
所轄の沼田消防へ連絡し、
診察可能な脳外科のある総合病院を教えて頂き、
診察可能ということを消防から連絡があり、診察することとなりました。
手配した車で診察をして、お客様は宿へ無事戻って来こられました。

異常なしの診察結果で良かったです。
民宿に帰って来られたのは夜9時頃でした。


スマホで消防署を検索すれば電話番号も知ることが出来ます。
病院名が分かれば直接電話も出来ますね。
良い時代になりました。


転倒した女性のお客様は、翌朝申し訳なさそうに挨拶していました。


@@さんへ
このようなことは誰でもあります。
また元気に山を登りましょう。
きっと今頃、来年の山の計画などしていることと思います。
そしてまた、山頂でみんなでバンザ~イ!と気勢をあげましょう!
山がまってま~す!






・・・・
登山・トレッキングのガイド「風」
  
(HPも宜しくお願いします。)


・・・
風」のガイドプラン  (こちらも宜しくお願いします。)