2016・10・9   上州武尊山 | 高橋 丈のブログ

高橋 丈のブログ

山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

8日の天気予報で明日は、午後から雨雲がスッキリ通り過ぎることを確認する。
宿の外はいつになっても雨模様
参加されたみな様の心境を考えると、
何とか良い方向に向かって欲しいと願うばかりでした。
標高2000m級の山といっても10月中旬のため、
冷たい雨と風で体温調整が重要になって来ます。
しかもぬかるみが多い登山道で靴の中も濡れてしまう可能性もあります。
消灯後にいろいろ考えて落ち着かない時が流れていました。

翌朝も外から雨音が聞こえてきます。
午後に期待して出発することとしました。


雨のせいかスキー場の景色も閑散として見えます。
昨年はみな様にブナ林の紅葉が素晴らしいコースです・・・
・・・とお話して参加されたみな様でした。
「今年の紅葉は少し色が・・・」そのような言葉に力は入りません。
白樺やダケカンバ、そしてブナは昨年同様 立派に生きています。
雨を喜んで居る様にも見えました。
なだらかな登山道は落ち葉で埋め尽くされ、濡れて靴に時々張り付いてきます。
樹林の中のため幾分雨は少なく感じましたが長い道です。
そして見えた避難小屋の屋根

今回は中で小休止です。
テルモスの温かなお湯が嬉しいです。
雨具のフードを取ると気分もかわり、会話も楽しいものとなりました。
登山を開始して1時間50分、ちょうど半分の行程です。
行動食と水分補給も出来ました。
これから山頂エリアの稜線で予報の通り回復することを期待して出発です。

ぬかるみがさらに深くなり熊笹を掴んだり、
倒木の上に乗ったりして、
靴の濡れを少しでも避けるように端っこを何度も何度も渡ります。

「手袋の濡れは大丈夫ですか?」
手が濡れているとこの時期は辛いものがあります。
ゴム手とインナーで何とか大丈夫そうです。
コメツガの林を抜けるとやはり風が冷たく感じました。
登山口に駐車車両も無いし今日は私達だけかも知れません。

中の岳手前にある鎖場では、
鎖が苦手そうな女性の I さんに下で10㎝と離れずピタリと引っ付いて
もし滑っても体で受け止めるようにして・・・、
右足を出せば私も右足を出し、左足を出せば私も左足を動かすようにして
「左足はそこです。その上です。」そんなスタイルで登りました。
岩も濡れてつるつる滑りそうでした。

鎖を抜けても上部はガスで何も見えません。
幸い風は中の岳により頭の上を通過してくれています。

此処まで来てもまだぬかるみがあります。
そしたらツアーの団体さんがやって来ました。
全員が濡れ鼠です。

「あらッ!」
「雨がね~・・・。 頑張りましょうね!」

そして元気に声を掛け合いました。

私達だけでないことを確認すると元気が出て来たように思います。

女性のひとりは、鼻の先に雨露が光っていました。
そしてニッコッと挨拶してくれました。


分岐を通過すると、予想通り風は冷たく私達を叩くように吹いています。

小雨も交じっています。

ペースを崩さず一歩一歩進みます。
2~3人の男性のグループの皆さんは、手袋なしで見るからに寒そうでした。

顔にも手と同じ風が当たっているのに顔は大丈夫ですが、
手はすぐ冷たくなります。
手から来る冷えもエネルギーを消耗させます。
人は弱いものですね。


そして・・・。


足元にある遭難碑を見守るように立っています。


「もうすぐで~~す。」と
・・・そんなに大きな声出さなくても良いくらいの声でお伝えしました。

「は~い!」


小さな岩が出て来ます。

安全に手を添えてゆっくり通過してください。
普通に歩いて通過できる個所ですが、落ちれば大変な所です。
幸い風が弱くなっていました。


急な道で上を見ると表示板です。

下を見て登っている人へ、手で指差しました。



山頂です。
登頂です。
こんな雨の中、頑張って登って来ましたが、
誰もそして私も本当に山頂へ到着出来て良かったです。

ブナ林の黄色の紅葉とつた漆の赤、
そんな秋の山を紹介したはずが、冷たい雨登山の上州武尊山となりました。

朝の天気と比較すると、
少しずつ徐々に回復の方向へ向かっているように思いましたが、
依然小雨と風です。
雨と風で雨具の下の着衣をで体調管理も難しい中、誰も寒いという人も無く、
また手先も冷たい言う人も無く山頂へ到着しました。



所 感・・・・

★晴れていれば避難小屋へ入ることも無く通過してしまう所ですが、
こんな雨では本当に有り難い小屋です。
下山時にも休憩しましたが、温かなコーヒーを沸かして呑みましたが
コーヒーより甘~い紅茶の方が良いように感じました。
小屋内には水と薪そして銀マットも用意されてありました。


★雨の日の手袋ですが・・・
①テムレスという作業用ゴム手と綿のインナー、
②テムレスという作業用ゴム手と薄手のフリースのインナー、
③防寒テムレスのみの人
④ゴアテックス雨手袋の人
誰も手が冷たいという人は居ませんでした。

私は②でしたが、風と小雨の稜線で少々手が冷たいかな?と感じるくらいでした。
①の人は大丈夫と言ってましたが、稜線では私と同様の感覚であったと思います。
①と②はインナーの調整により適応範囲も広がると思いました。
③の人は全然大丈夫、手袋内に湿気はあるものの暖かかった。
④の人は内部の湿気も無く全く問題ないとのことでした。

★昨年とほぼ同時期に登りましたが、今年の紅葉は遅いようでした。


★下山時スキー場を歩いていると、やっと晴れ間が出て来ました。
あと半日早くなってほしかった~!



★下山時のお茶タイム
此処まで来れば安心!
スキー場の東屋で手袋の評価をしたり、
お菓子と茶で、しばし安堵の時間を過ごすことが出来ました。
こんなホッとした時間は雨登山では特に嬉しい時間です。


例年であれば運動会の真っ只中、快晴の日が続く時期の雨登山
紹介したガイドは申し訳ない気分で1日過ごしましたが
無事に下山出来て良かったです。

天気があと半日早く推移してくれたら本当に良かったのに~!


温かな飲み物が嬉しいですね!
シッカリと昼食や行動食がが取れます。


10月の紅葉の山を越えてやっと更新できました。
これからも頑張って更新します。


みな様はどのような紅葉登山でしたでしょうか?


・・・・
登山・トレッキングのガイド「風」
  
(HPも宜しくお願いします。)


・・・
風」のガイドプラン  (こちらも宜しくお願いします。)