2016・3・6 八ヶ岳 赤岳南峰リッジ リベンジ | 高橋 丈のブログ

高橋 丈のブログ

山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

あれは2年前の2月2日
雪慣れしていない仲間もいるというメンバーで、
赤岳の何峰リッジを登りに行った時のことでした。

翌日の予報は良くないもので、天気を案じての就寝となりました。
寝袋の中で、風の音を聞いていた思い出があります。

朝から天候は予報の通り、何とかリッジの取り付きまで到着した時は
吹雪の状態でした。

岩稜の取付きまで行きで、登攀は諦めて文三郎を登ることとし、
強い風に目を細くして登る状態でした。

山頂ではカシャリと記念写真を撮って、すぐ下山でした。
そんな南峰リッジへ今回登って来ました。

・・・・


朝、行者小屋まで来て身支度をしていると、
寒さが身に染みるほどで気温が低くジャケットに付けた温度計は-13度、
やっぱり寒い!


天気は上々でしたが、何と言っても気温が低くて、
靴の中で指先を何度も何度もゴニョゴニョと動かし、
手袋の中で指を引き抜いて、
グーを作って指先を温めたりしての行動となりました。

取付きに到着して上を見上げると、雪煙と風が交互に来る感じでした。
下を見ると結構傾斜も強く、下まで見通せます。

最初に私が登り始め、SMさんはじっとしてロープでの確保です。
岩角に中間支点をセットする時、
カラビナを掴んでも、手がかじかんで思うように行かない。
いつまでもカラビナを掴んでいると、
手袋を通して冷たさが伝わって来るようでした。


・・・でも天気は上々です。


SMさんが登っている時は、私はじっとしてロープの確保です。
どんどん登って行くSMさん。

南峰リッジは上まで約250mの短いルートです。
気分良く登れると思っていましたが、寒さは厳しかったです。
幸いに風は5~6mでしたので、救われました。


途中の岩稜部分で私が上を見ると、面白そうなルンゼ(岩溝)があり、
引き寄せられるように、そこへ登ることにしました。

この上では・・・

そこそこ傾斜もあり、ルンゼは体が何とか入れるほどとなります。
左の岩にハーケンが2枚残置され、それを私も利用します。
こんな場所は誰でも登りたくなるでしょうね。

以前登った時は此処は通過しなかったです。
此処は右へ巻いて雪の上を登ったのでしょうね。

目の前の岩の上に3~4mmほどの薄氷があり、そっと打ち込んだピックは氷を砕き、
岩に跳ね返されました。

更に上を見ると少しは厚そうな氷が有り、
ピックの先を氷に打ち込んで、ゆっくりと体重を掛けてずり上がります。
左手は岩溝へ差し込んだ手をねじって体を保持してます。
(あのムーブ(動作)は今もハッキリと思い出せます。)
そして50㎝上の氷に打ち込んだ時、
確かな手ごたえがありました。

斜めになった体をズリ上げて、右足のアイゼンの爪を岩に引っ掛けました。
ほっとする瞬間でした。

さらに上の氷に打ち込んで一安心!
ほんの2m程の部分だったと思います。 (あそこは楽しかった♪~)

ルンゼを抜けた時は大きく深呼吸です。
こんな部分が50mも100mも続いたらお手上げです。

安定した場所へ来て、左上を見ると赤い山頂の小屋が見えてました。

短いルートですから、もうすぐ終了です。

そこで2人は小休止。
冷たくなったコンビニのピーナツサンドを取り出して、かじりつきます。
先が見えて来ると安心して、余裕も出て来ます。


短いルートですから・・・
急いでも、もったいないので、空気や雰囲気を味わいます。
背中を太陽にも照らされて、幾分寒さも違って思えます。
山頂直下の贅沢な時間です。

中岳から阿弥陀様へ続く道も、今日はバリエーションルート化してます。



540kCalのエネルギー補給は終了して行動開始です。

それからは、岩を避けるように、

硬い雪面にピッケルを刺し、シャフトを掴んでアイゼンを蹴りこんでの繰り返しです。
気分は最高です。
どんどん登ります。
サクサク登りました。

鎖の支柱の・・・
鉄のリングが見えて今回のリベンジも終了です。
鉄柱でSMさんを確保して、一安心!




カシャリ!

楽しい1日でした~!