2015・7・2~3  五竜岳  残雪確認登山 | 高橋 丈のブログ

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山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

7月2日
日本海側の天気予報が晴れということで、いざ出陣!
遠見尾根を登りますが、ここはロープウエイとリフトを乗り継ぎ、一気に標高を稼ぐ予定でエスカルプラザへ!


ロープウエイを下りてリフトに乗車。

リフトに乗っている時に植物園内のスピーカーから、レゲエとハワイアンが合体したような心地よい音楽が流れていました。
聞いていた私は、登山への引き締まった気持ちが、ふわ~っと変わってしまって、このまま今日はコーヒーでも飲んでいたような気持ちになってしまいました。

しかし、私を乗せたリフトは無情にも上へ上へと運んでくれ、すぐそこは地蔵の頭です。

「登りましょう・・・、
此処まで来たのは五竜です。音楽とコーヒーではありません!」

少し眠い体をに鞭打つように目を見開いて歩き始めました。
周辺はニッコウキスゲや様々な花が満開状態でした。

写真を撮るのに精いっぱいな状態でした。
このまま6時間近い登りで大丈夫だろうか?
長い遠見尾根の始まりでした。

樹林の中、小さな登り降りの繰り返しで1時間半、小遠見の頭へ到着しました。

分岐にはベンチが有り、腰を下ろして小休止です。
周辺は霧で何も見えませんが、熱くなった体を冷やす風は吹いていましたので、おにぎり食べながら一休みでした。
しかし、人が全然見当たらないです。
梅雨時期、そして平日ですからこんなものなんでしょう。

此処から右へ下り込みます。
登り降りの連続です。

樹林の中は蒸し暑くて大変でした。
20分程で中遠見です。

向こうの山裾には雪渓が見えて来ました。
そしてどんどん登りまして、

空も晴れて来ました。
天気予報通りです。
日本海側は今日は晴れ、明日は曇りですので、予報通りでした。
関東に居るものにとってこの青空は目に鮮やかでした。

単独で登っていると、つい歩幅が大きなものになってしまい。
息使いもハアハアとなり、脈拍もガンガン伝わって来ます。


確か・・・最大心拍数は 220から年齢を引いたもの
目標心拍数はその75%だ。
こんな150以上の脈では長続きするはずがありません。
ペースを落とそうなんて思っていましたら、雪渓が出て来ました。

いよいよだな!

そろそろ大遠見に着く頃ですが・・・
長さ200m位の細長い雪渓の上に熊の足跡を見つけました。

想像していたものより結構大きめです。
今日のものです。間違いありません。

周囲を見回しましたが、幸い姿は見えませんでした。
そんなことで、急いで歩いたらまた心拍数を上げることになってしまいました。

どんどん、どんどん歩いてヤセ尾根の西遠見山まで来て、空が晴れて稜線部が確認出来ました。

・・・と、この辺までくれば熊も居ないだろうと、熊が居ないという何の根拠もないまま自分に言い聞かせて大休止としました。

ルートは右へ登り上げ、そして一旦下った辺りで登山道に雪渓が残っているようです。
南斜面ですから、雪も氷化してないだろう!
カロリーの高いパンを食べながら見上げてました。
正面右に見える白岳から左に降りたところに五竜山荘がみえてます。
あと1時間は掛るな! ゆっくり歩こう!

ふと下方にある小ピークを見ると人影が見えました。
少しづつ動いてます。・・・熊でなくて良かったです。
あんな細い尾根に熊が居たら、お互い立ち往生です。   良かった良かった!

仕上げにコーヒーも飲んだりして十分休憩も出来ました。


鎖を掴んだりして一歩一歩登ると登山道の上にも雪渓が残ってました。
尾根上に細長く約30m、振り替えてカシャリと撮影しました。
幅がありますので、問題ありません。

ここまでも小さ雪渓を1つ2つ通過してきました。

小屋から下の大雪渓はこんな感じです。

落ちると何百メートルも滑落間違いありません。

今、雪渓のある危険個所を歩いているのだ!

一歩一歩、そして小枝を掴んだりして何とかクリアーしました。

人影が見えるくらい小屋が近くなりました。

そして白岳の分岐です。

標柱の奥には唐松岳が見えています。

コルまで下って小屋です。


小屋からの五竜岳山頂部です。

8時半頃歩き出し、午後2時前の到着と成りました。
雲行きが怪しいのと、休憩のためピークハントは翌朝としました。

今日は先程の先行者様と私との2名の宿泊で、夕食時に先行者様は熊が居たということでした。
30m位先に居て暫くこちらを見てましたが、クルッと向きを変えてくれたので助かりました、と言う話を聞かせてくれました。
そして先程ピークハントしてきたが、霧による視界不良と単独とで少し緊張なさったピークハントだったという話をお聞きしました。 色々と参考になりました。

夕食後、外の気温は12度でした。

夜は11時間の熟睡でした。


7月3日
翌朝6時半の朝食で7時半出発のピークハントです。
登り約1時間の行程です。
15分も歩いた頃でした。


「オ~ィ」・・・と声が聞こえました。
白岳の分岐から声を掛けてくれています。
振り返ったら私が見えたのでしょう。

私は両手を振って・・・
「ドウモ! キヲツケテ~!」

また向こうから
「キヲツケテ~!」

とお別れの挨拶でした。
良いもんですね。
風が全くない状態でしたので声も遠くまで届いて、良い別れでした。
100名山ハンターの方で、次は焼岳に行く予定とのことでした。

登山道にはミヤマダイコンソウやウルップソウなど咲いてました。



そしてこのマーキング、これは先ほどお別れした方が昨日付けたものです。

視界不良の状況で、自分が下山してきている道が正しいものか確認するために付けて来たとおっしゃってました。
単独で視界不良の中、初めての山を登るときにつけたもの・・・
心中を察するものがあります。

これも退路確保の1つの方法ですね。  なるほど~!

鎖場を2つほどクリアーして山頂です。

剣が大きかったです!



右に薬師岳、鞍部の反対は黒部五郎の頭がチョコンと見えてました。



真正面の鹿島槍です。
槍の穂先もはっきり見えてました。


そして唐松や白馬三山。

最後に高妻山方面の見えてましたが、写真では確認不可能で省略しました。



色んな山を見ていて、自分の思い出や過去に繰り広げられた歴史などがあったことを想像していたら30~40分経っていました。

記念に自分もカシャリとやって来ました。

無風状態で信じられないほどでした。
山頂を独り占めでした。

「山頂は通過点、下山がゴール!」

下りながら・・・
日本海側の空

白馬側の空

大違いですね!


頭上はいわし雲でしょうか。   天気は良くない兆候。

そんなことで・・・
慎重に小屋へ戻って、ゆっくりとお茶タイム。


下山の雪渓をクリアーし、あとは熊ですが、ストックで笹や石を叩いたりして、
警戒音作って無事下山しました。


ゴールです!

自然園は賑やかでした!


最後に・・・
下山途中、叩いた笹の音で驚かれた登りの方々へ・・・スミマセンでした。

ガイド登山の前に登った、残雪下見登山でした。