槍ヶ岳へ (大喰沢) その2 | 高橋 丈のブログ

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山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

 
2日目(5月4日) 快晴

予定通り、朝3時に起床です。
「3時で~す。」、SMさんの声で起こされました。

明かりを点けて、まずは1口水を飲んでシュラフを収納します。 
スペースが出来たところで、コーヒーを沸かし、目覚めですね。

「あ~。」
「・・・。」
暖かいコーヒーを飲んでため息が出ます。


外に出たSMさんから・・・「ガチガチに凍ってます。」という言葉が聞こえて来ました。
(夜も雪が凍って歩きにくかったからなァ。   ・・・・。)

そして朝食です。
今回はSMさんが槍の頂上を前にして、我々の定番トラーメン「頂」持参してくれました。
そしてワカメなどを沢山入れて食べます。
こんなことをしながらテントの中で目が覚めてゆきます。

今回は槍の穂先をピストンですので、アタックザックでスピード登山としました。
ザックの中身は昨夜点検済みです。
ロープ・ハーネス類、食糧、ツエルト、エアーマット、防寒着、救急セットなどなど・・・です。

3人は一斉に外へ出ます。

「うわ~いい天気だ~。」
「雲が一つもないや~。」
「北穂の頂上も赤くなっている。」
 
アイゼンを着けて軽快に歩き出します。 朝5時です。
他のパーティの方たちも準備しています。
お先に失礼しま~す。

飛騨沢を30分も歩いてきました。
大喰岳西尾根が目の前です。
今回の計画は西尾根を登る予定でした。
 
しかし、雪の状態がとても良いです。
そのため、ルートを大喰沢へ変更しました。
写真の沢を詰めることにしました。
奥の2俣を左へ登り上げます。
緩やかな傾斜ですが、ここまで嬉しくてどんどん歩いてきましたので、少々失敗です。
中々足が着いて来ません。飛ばしすぎました。

SMさんのペースは変わりません。
KANBAさんと2人で後を追います。
 
槍沢側は太陽が輝いているようです。

SMさんは・・・
「早く 早く~!」 と言っているようです。


「そんなこと言ったって~」
「ハァ~、 ハァ~ 。」

結構登ってきました。
雪崩の走路は若干光って見えます。
 
 ここまで、殆ど上からの落下物は有りません。
我々3人だけです。
独り占めというか、3人の別天地状態です。

 
 中崎尾根もずいぶん下になりました。
「小~休~止 !・・・。」
大岩を指してSMさんに伝えます。

大岩の下には丁度いい雪の口が空いてます。
そこにどっかり腰を降ろして休憩です。
大切なザックを落とさないように、雪面にピッケルを刺して固定します。
これで安心!
 
 真下は飛騨沢です。人が歩いている姿が此処からも何となく見えました。
奥丸山があんなにも下です。
写真で笠や錫杖方面の上が切れてます。何処にも雲は有りません。
・・・ということでもう1枚。
カシャリ!
 
  中崎尾根の斜面に北穂でしょうか、影が映っています。
「しかし、いい天気だね。」
「サイコ-ッスね!」
「気分も体力も、まあ上々だね。」
テルモスの暖かいお湯を頂いて再スタートです。
 
 ルートを定めて登り始めます。
下を向いてどんどん登っていると、思わぬところに出てしまいます。
 
 この800mの雪面はなんと綺麗なことか。

すると・・・KANBAさんが・・・
「太陽で~す。」
 
 我々にも陽が射して来ました。
雪面も照らされて見事に輝いてます。
それからは、もうこんな感じです。
 

中岳も手に取るようです。
   
 アイゼンはがっちり雪を捉えてくれています。
振り返った足跡はチョンチョンチョンとしか見えません。
 
そう言えば4時に朝飯でもうかれこれ3時間以上経ってます。
この辺でエネルギーを補給しましょう。 
岩頭の下で大休止です。
エネルギーが不足すると注意力も散漫になりがちです。
500何キロカロリーと、もう一つ400キロカロリーの菓子パン半分食べて、ラーメン1杯分くらいか。
それだけあれば大丈夫。
滝谷の岩場も恐ろしいほどで・・・そして綺麗です。
誰か今も登っているのでしょう!
 
 もう少しです。
頑張ろう~。
 
 燃料補給が済んだ私はこの変りようです。
 
 大喰岳はご覧のとおりです。
残るは槍の穂先です。
 
 続々と槍沢を登ってきます。
 
 大賑わいですね。
来る人みんな嬉しそうです。

 
 たまにはこんな写真も・・。私です。
 
 表銀座コースですね。


 
 前穂ものこぎりの刃を突き立てています。

写真は切りがありませんね。
富士山はさすがに高い山です。 
 渋滞した穂先を降りて小休止後、一気に飛騨沢を下りました。
大喰西尾根への目印、「宝の木」で小休止。
 
  KANBAさんは飛騨沢をクロールで泳いで下ってきました。
大物です。

宝の木からノンストップで300mほど尻をついて沢底まで下り、テンと場に着いたのは午後2時でした。
肩の小屋から1時間半です。




今回はテントの外でコーヒーを沸かして美味しく頂き、その後はまた午睡。
いや~、楽しかった。

夕飯はでっかい高野豆腐と野菜スープ、そして五目御飯でお腹いっぱい。
しば漬けが美味しかったで~す。

SMさんとKANBAさん、お疲れのようで8時にはおやすみになってました。
私はまだテンションが下がらず、ウトウトしながら夢心地の状態が暫く続いていました。




翌日は小雨の中、濡れねずみになって新穂高まで帰って来ました。
 
  先行のパーティーの方がたも対策は万全ですね。

帰路、沢渡の「しもまき蕎麦店」です。
 

疲れた筋肉に栄養補給すようにかつ丼とそばでお腹いっぱいでした。