2014/3/15~16 谷川岳へ  西黒尾根 | 高橋 丈のブログ

高橋 丈のブログ

山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

関越道、谷川インターを降りると、谷川岳は白く気高く聳えているのが見えていました。
西黒尾根は日本三大急登(北アルプス・烏帽子岳のブナ立尾根、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根)の1つと言われています。
右のラインが西黒尾根の上部です。
 

今日の行程は西黒尾根を「ラクダの背」下の樹林帯まで2時間程度登り、そこでテント泊です。
特に危険な場所もないため、安心して山へ入ります。
登山指導センター前を通過するとすぐ雪で通行止め状態です。
結構雪は締まった状態です。

前回の天神尾根の時はロープウエイを使用しましたが、今回は一歩一歩雪の尾根を頂上目掛けて登ります。ちなみに、夏道の場合コースタイムは約5時間の登りです。

少し歩いて、途中でトレースを外して自分たちで踏み跡を付けることにしました。
硬く締まった雪は快適にザクッとザクッと登れます。

明日の天気予報は今日よりずっと暖かくなり、くもりです。
「山は雪、でも暖かいと雨になるのかな~!」
そんなことを考えながら、ブナの大木がある林を登ります。

尾根を登って目印の高圧鉄塔まで来ました。
この辺りでテントを張る人たちは結構いるそうです。また、この上あたりでは雪洞で一夜を明かす人たちも少なくないそうです。
「一息入れようか?」
「了解で~す。」

湯檜曽川の下流方面です。
 

日本100名山の上州武尊山です。
 
行動食を少し食べようかなと思いましたが、昼ご飯は小さなおにぎり1つ食べただけでした。
「パンでも食べよう!」
またいつもの菓子パンです。
「今年は幾つ食べることになるのかなあ~。」
「日帰りで2個、1泊2日で5個、100日山に入るとなると、中間をとっても250個だ。」
これだけ進歩した世の中ですから、何か他に良い山食はないのでしょうか?
一口頬張ると半日持続するような、そして美味しいもの、どこかにきっと有るのでしょうね。
そんなことを考えながら、コンビニのコッペパのンジャムマーガリンを口に押し込んでました。

少し風が有りますが概ね良好な天気です。
ザクッ・ザクッと足を運び、仲間も同じように一歩ずつ進みます。
樹林の間から時折見える谷川岳、頂上付近はガスの中、風が強そうです。
こんな日でも頑張って登っている人がきっといます。
こんな日は辛い登山ですね。
 1
1時間半程度経った頃、雪の斜面に雪洞を掘っている人たちが居ました。
「こんにちは、此処ならいくら掘っても大丈夫ですね!」
「はい。」   「頑張ってください。」

我々も少し登ったところで良いテント場が見つかりました。
スコップでササッとならして、ハイ出来上がりです。
早速テントを張って、時間を見ると、まだまだ午後2時過ぎです。
せっかくだから、雪のブロックを積み上げて風対策を作りました。
本当ならコの字型にすると良いのでしょうが、まあこんなところで良いでしょう。
4人で作ったら早いですね。あっという間に出来上がりです。
 

荷物を中に頬り投げ、私とYOさんと少し上まで偵察に行くことにしました。
「明日もこんな天気だろうな。」
「雨にならないと良いけれど・・・」
相変わらず頂上は見えません。
 
天神平スキー場は見えています。
雪庇も張り出しています。
近寄らないようにしないといけないですね。
  

テントに戻って来ました。
AOさんが延々と雪を溶かして水造りです。 お疲れ様で~す。
 
  
木々の間に朝日岳が輝いていました。
迫力ありますね。
 
  
「明日はここからアイゼン履きましょうか?」・・・とYOさんが言いました。
「そうだね!そうしよう。」
そして、
「 温かいお茶でも飲みますか~。」
「了解です。」

そんなことで4人はテントに集合し、お茶とウイスキーなどを3時頃から飲みはじめました。
私もほんの少し味見をさせて貰いました。
そうすると・・・ウイスキーの苦さが口いっぱい広がります。
 一口二口飲んで隣のテントですぐ横になって、・・・いい気持ち~。
目が覚めたらあっという間に5時半です。
「飯だ~飯にしよう!」
「は~い。」・・・NGさんの可愛らしい声がこたえます。

今回は食糧の軽量化でYOさんが4人分の夕食と朝食で1・5kgと考えての披露です。
雪で溶かした水に乾燥シイタケを入れます。
沸騰しだしが出たお湯を五目御飯に注ぎ入れます。
シイタケの美味しい香りがテントいっぱいになりました。
「う~美味しそう!」
鍋の中に、自宅で1週間乾燥して作った白菜を入れて、依然私が購入した「まるっきりお肉」を入れて少し煮立てて味を付け、乾燥ネギを最後に入れて出来上がりです。
「どうぞ!」
「頂きま~す。」
ふ~ふ~言いながら体が温まりました。
大豆でできた肉も何とかいけます。
最後に乾燥豆腐を鍋に入れその上にスライス餅を乗せます。
これで、みんなお腹いっぱいになりました。
「ご馳走様でした~!」

夜は山のウエアーにつて話が盛り上がりました。
みんな良く知ってます。
ダウンジャケットの暖かさの基準となる数字があって、850とか1000とか言ってました。
「なるほど。」
同じグラムであれば数字が大きくなるほど暖かさが上になるんだあそうです。
そろそろ眠くなってきました。
9時就寝です。


・・・・・・・・・・・・・・2日目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜中は結構冷えて何度か目が覚めました、でも良く寝ることが出来た方です。

翌朝、5時にタイマーで目覚め・・・
「ざーす。」・・・
      ・・・「ざーす。」
そんな一言で1日が始まります。

朝食はそばとスライスもち、そして乾燥豆腐です。
さっと食べて体を温めている最中です、・・・
ザクッ、ザクッと先行する登山者の足音が通り過ぎて行きました。
まだ5時半です。
我々はYOさんの準備した朝飯をゆっくり味わって、お腹いっぱいになってからの出発です。
急ぎの山行なら仕方がないですが、お茶とパンの食事では寂しいですね!

テントから出て荷物の準備しようかと朝1番の景色です。
 
今日は快晴です。風もほとんど感じません。
最高の登山日和です。 やった~!

昨日、雪洞を作っていたパーティの人達も上を目指して登って行きます。
 

テントを畳んで出発準備完了です。
もう一度、周囲を見渡してゴミや忘れ物が無いか確認、・・・異常なし。

いつも私が先行して歩きます。
ゆっくりめの私のペースにみんなが合わせてくれています。
有難いです。

コンコンコン・・・コンコンコンっと鳥が木の枝を叩いています。
キツツキ・クマゲラ・・・?
種類は分かりませんが、遠くで動いています。

昨日は空身で偵察に来たところは、まだまだ先です。
今日は荷物担いでます。
段々と体が温かく成ります。
順調に登っています。

樹林の合間から時折、見る頂上は真っ白です。
早全容を見たいものです。

ラクダの背に到着です。
「此処が夏道で鎖が有るところですか?」・・・AOさん
「そうだね。」

鎖は少し見えていました。
回り込むようにピークに登ります。

快晴です!
素晴らしい。
 
 AOさんです。・・・背中の荷物は私のテントと予備で持参したロープも入っています。 

そして、NGさんです。小さい体に縛りつけた大きな荷物、頑張っています。 
谷川岳の東に落ちているマチガ沢です。
紺碧の青と真っ白な雪そして岩稜、何とも表現が出来ない美しさです。
 
 後ろを振り返ると朝日岳、なだらかな山の形ですね。
このなだらかな雪のラインも素敵です。
湯檜曽川を挟んで東の西で対照的な山の姿を見ることが出来ます。
 
YOさんはトレースに繋がる頂上方面を確認しています。
雪庇も大きく張り出しています。
  
  まだまだ、先は長いです。
焦らず登りましょう。
 
 私です。
あの時は本当に嬉しかったですね~! 気分は最高でした。

 
後続の2人パーティです。

衣類の調整をして、再度出発です。
  
 この辺は少し距離を離れて歩くことにしました。 問題ないと思いますが・・・。

 

写真下、西黒尾根の上部です。
一旦コルへ下がってからグッと登り上げます。
  

湯檜曽川に沿った山々です。
尾根が右や左に織りなっています。
奥が深いですね。
  
手前の白い雪面の向こうに見えるのが、東尾根です。
尾根の向こうは一ノ倉沢です。沢ですので見えなせんけれど・・・。 
この東尾根も頂上へ繋がっています。
一気に・・・そしてますぐ繋がっています。
  
アップしました。
シンセン岩峰です。左のくぼみがシンセンのコルという名前が付いています。
人の姿は今は見えません。
今日は沢山のクライマーが取りついていると思います。
 
 その東尾根上部です。
右の雪斜面の稜線に2人クライマーが登っています。
黒い点としか見えませんが・・・。
 
 後続の人達が追って来ます。 
 東尾根に4人登ってます。
この東尾根は、一般登山道ではありません。
群馬県の条例により、危険区域に指定されています。
登山するときは事前に手続きが必要です。
   
  西黒尾根は一般登山道です。
登山届はもちろん必要ですね。
ロープウエイ駐車場内、登山指導センターで提出出来ます。
また群馬県のホームページからもネットで届け出は可能です。便利になりましたよね。

我々は汗びっしょりになって頂上付近まで登って来ました。
 
 頂上に居る人も見えます。
 
 谷川岳は双耳峰で、マチガ沢を挟むようにピークが2つあります。
前回はトマの耳までしか登りませんでした。
オキの耳の右に続いているのが東尾根です。
トマの耳から左に落ちているスカイラインが天神尾根です。
 

頂上にある肩の小屋です。
冬は避難小屋として開放されています。
夏は有人小屋です。
遠くへ続く雪稜が綺麗ですね。
 
私達が登ってきた西黒尾根です。
  
 こちらはオキの耳から見た東尾根の稜線です。

 遥かかなたに人の姿が見えます。

オキの耳から見たトマの耳です。
  

トマの耳です。
今回は賑やかでした。
  
 
雪の谷川岳の景色を思う存分堪能して、天神尾根からの下山しました。
あっと言う間でした。
前回のテント設営場所からの西黒尾根です。

 帰りはロープウエイ利用でサッと駐車場へ・・・
やっぱりロープウエイは楽ちんですね!




 

そして、天ぷらそばに登頂祝いで卵プラス。
おめでたい食事となりました。

良かった、
      良かった。 

これですから、まだまだ止められそうにありませんね!