今回は税理士試験における
税法大学院について書きます。
最初に見にくいですが比較表を載せます。
時間的制約から5科目を断念した
負け惜しみなどではなく
心の底から大学院に行って良かったことの方が
多かったと感じています。
以下の数字が物語っています。
【2022年3月31日現在 資格別登録者数】
2022年5月 日税連より
国家試験合格者 35,010人 43.67%
試験免除者 31,340人 39.10%
税務署等出身特別試験合格者 2,348人 2.93%
公認会計士 10,759人 13.42%
弁護士 703人 0.88%
税務代理士 2人 0.00%
資格認定者 1人 0.00%
合計 80,163人
累計でこの状態です。
そして昨年1年間では驚きの数字です。
2021年4月1日~2022年3月31日
資格別新規税理士登録者数
国家試験合格者 628人 23.95%
試験免除者 1,440人 54.92%
特別試験合格者 1人 0.04%
公認会計士 520人 19.83%
弁護士 33人 1.26%
合計 2,622人
ちなみに税務署OBと呼ばれる人は
試験免除者に入ります。
実際に先日、税理士会の支部例会で
私を含めて新規登録者があいさつしましたが
5人中3人が税務署OBで同期で
私を含む残り2人が大学院免除で
試験合格者はいませんでした。いませんでした。
僕は何を思えばいいんだろう?
と、イエモンのJAMのように
なってしまいました。
(若い人にはわからないかもですね。
すいません。)
僕は「5科目を受ける意味って何だろう?」
と率直に思いました。
就職、転職の時のことを考えてだとは
思いますが、知り合いの人で大手税理士法人
勤めの人が、院で税理士資格を取ってすぐに
支店長になった人もいます。
既に勤めてる人にとっては
資格のあるなしの方が大きいことも
あるようですね。
税理士試験と税法大学院免除の概要
まず、税理士試験の概要についてです。
税理士になるためには、当たり前ですが
税理士試験に受からないといけません。
(税理士試験受けるのにも資格が必要ですが
ここでは割愛します)
税理士試験は5科目合格で終了となります。
そのうち、会計科目の簿記論、財務諸表論の
2科目は必須となります。
そして税法科目は法人税法、所得税法の
どちらかは合格しないといけません。
つまり税法科目は法人、所得のいずれかまたは
両方を含めて3科目の取得が必要になります。
税法大学院の特徴その①
税法科目3科目のうち、2科目分を免除して
もらえます。
税法大学院の特徴その②
さらに、税法残り1科目も法人、所得という
必須科目の縛りはなくなります。
1科目は何に受かってもいいわけです。
→受けた人はわかると思いますが、この
2科目はボリュームも最大で、1科目に
2、3年かけても受からない人も少なくありません。
つまり、感覚的な話になりますが税法2科目の
合格に要する期間は短い人でも3~5年は
あると思います。
それが短縮できること、しかも確実性は試験合格
より高くなるので心理的な安定性が大きく
変わります。
そして、あまり知られていませんが
先に税法が合格していなくても
論文を書いて卒業までは可能です。
国税庁に免除申請をするときに
税法科目の合格通知が必要になるだけです。
ただし、大学院の出願倍率が高い中で
合格選定してもらうことを想定すると、
教授も2年間の論文指導にはかなりの労力を
使うと思います。
その書いた論文が報われる可能性が
高い人(免除申請を確実に出せる人)
を選ぶ可能性は高くなります。
(面接の時点で同じ条件の人が二人いて、
片方が税法合格0、もう片方が税法合格1科目
でしたら後者の方が有利になる可能性が
あります)
実際に論文を書いたものの、
免除申請に出せていない人もまあまあ
いるようです。
極端な話、会計科目を含めて合格科目が0でも
入学、卒業は可能です。
(そういう方も実際に居られました)
ちなみに、税法免除を受けた後に会計科目を
受験で合格すると12月の官報合格者に
名前が載るようです。
実際にまだそういう方に会ったことがないので、
合格証書が届くかはわかりません。
(チャレンジ中の人が居るので、
わかり次第掲載します)
大学院への道
次に、大学院への入り方になります。
まず税理士試験の税法免除を行っている
大学には限りがあります。
東京・大阪近郊は比較的多いのですが、
それ以外の地域であれば、選択肢としては
少なくなるか、通信制のみとなります。
河合塾KALSのホームページにリストが
載っているのでまずはこれを見るのが
いいと思います。
<通学方法>
そして、上記の中でも昼間に通わなければ
いけない所と夜間でも通学できる所、
そして通信でも可能なところがあります。
<入試科目>
①志望動機や研究計画書の作成
②面接
③小論文
など色々ありますが、①②は必須だと思います。
それぞれの対策には独学以外にも
対応している専門学校に頼るという手段も
あります。
全国区では前述の河合塾KALS、
関西限定だと院予備というところがあります。
私は上の2つともを見学した上で、
期間も足りなかったので
大学院入試コンサルをしてる方に頼り
1ヶ月強という短期間の対策で合格しました。
ちなみに、今はスポットコンサルのみで、
以前のようなフルサポートは
されていないようです。
<学費>
2年間で100万円台前半から200万円超えまで
にわたります。
奨学金、補助金などもある場合もありますし、
私は日本政策金融公庫の教育ローンを
活用しました。
<入試日程>
大体、9、10月頃と1、2月頃の2回行っている
ところが多いのですが、どうしても試験が終わってから動く人が多いこと考えると、秋は対策期間が足りないので大変ですよね。
その理由もあってか、
秋入試の方が倍率が低いという傾向があるので
狙い目ではないかと思います。
長くなりますので、入学してからのことは
その2で記載させて頂きます。