愛と光の訪れはこの世の栄華の落日と共に・・・ | kazuのブログ

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目に見える世界は、次々と浮かんでは消え行く空を流れる雲のようであるが、その背景には、目には見えない風の流れや温度などの複雑な要素が絡み合う・・・

この詩は今の世をも良く表しているのではないだろうか。
私たちが知る闇の全ては、現実だと思い込んだこの夢(唯春の夜の夢のごとし)の中にのみ存在し得たのだという事を、やがて私たちは知るだろう・・・

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『平家物語』冒頭

祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらは(わ)す。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。

口語訳

祇園精舎の鐘の音には、
諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。
沙羅双樹の花の色は、
どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。
世に栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、
春の夜の夢のようである。
勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、
まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。