「そうさ 今年は実に縁起の良い


初夢ときたもんだ  


聞いてくれよ



さっき公園でベンチに座って


鳩にパン屑をやってたんだ



そんで、ふと上着の袖のところをみると


羽毛って言うのかい 


鳥のふわふわした綿毛みたいなものが


縫い目の隙間から出かかってて


なんじゃこりゃ?って見てたら


それがまるで生き物のように


ふわりと風に乗って俺の顔の前まで


浮かんできた




そんでそれは


ゆっくりと風にのって漂い始めた



安物の上着だったから本物の羽毛が


入ってたとはビックリだが


問題はそこじゃない


その優雅な動きさ



千鳥足の動きの様にゆっくりと


右に左に漂って


まるで誘われているみたいで


俺は思わずその羽毛がいく方向へ


ついて行ったさ



そうしたら、ほら 


目の前に銭湯があるじゃないか 



俺はご機嫌で


広い湯船に


足をめいっぱい伸ばしてつかりながら


見ず知らずの


隣の真面目そうなサラリーマン風の男に


そう 話していたさ



銭湯の壁には


今や貴重な手書きの富士山



一富士二鷹三茄子ってくらいだから


いい具合じゃないか、、、」






そんな寝言を言いながら目覚めたかったな





俺はベンチに座って目の前の鳩に話しかけた