久しぶりに綺麗な葉っぱの招待状が届いた


この数年無かった事だから


不意のお誘いは嬉しい


私は夕食をさっさと済ませて


布団の中に潜り込んだ



深夜12時くらい


家の玄関の前に停まっている黄色いバスに


着の身着のまま乗り込むと


バスは山の方へ向かって走り出した



場所は山の中の何処か


深夜にのみ姿を現す小料理屋 宵夜燈


暖簾をくぐれば珍しく先客がいた



私は隣に座って


「寒くなりましたね」


などと差し障りのない言葉をかけた



やがて白髪のおかっぱ頭の婆さんが


芳ばしい香りと共に岩魚の骨酒を


運んで来た



先客と一杯やりながら


他愛もない会話を始める



先客はどう言うわけか


頭がじゃがいもだった


そう、ここ宵夜燈では


肉体は自分の意識が


適当に具現化したものになる



じゃがいもさんは


どこぞの会社の偉いさんて雰囲気で


男の顔なんか付いてさえいればいい


なんならじゃがいもでも、、、、、


そんなふうに思っているのが


具現化してしまってるらしい 




試しに自分がじゃがいもさんから


どう見えているか聞いてみると


大きな身体に


小豆くらいの小さな頭がのっていると言った




そう言えばこのところ会社では


会議のための会議というか


一生懸命に仕事してる風にみせるための


不毛な会議続きで


会議室の片隅で


自分に答えのない質問が飛んでこない様に


存在感を消して


出来るだけ目立たない様に縮こまって


椅子に座ってた




「 図星ですわ 」


私が笑いながら骨酒を啜ると


じゃがいもさんは無表情のまま


私の真似をした



小豆ほど小さな頭についているはずの


小さな口でどうやって酒を啜ってるのだろう?


ぼんやりとそんなことを考えていると


芳ばしい香りと共に


凝り固まっていたものが


ゆっくり解けていく様な気がした