いつだってそうだ




この2年間


手取り足取り仕事を教えてきた新卒の後輩に


男を盗られた



気付けばもうすぐ40才


あいつとはかれこれ10年の付き合い


のらりくらりと結婚を先延ばしにして


事実婚みたいな関係になっていたが


たまたま会社の後輩に


引き合わせてしまったのが運の尽き


でも、まさか20歳そこそこの若い娘が


あんな四十男に興味を持つとは




恭子は公園のベンチで


コンビニで買って来た塩むすびの


侘しい昼食をとっていた




いつだってそうだ



何かとやらかすあの娘の面倒を見るのに


今年もここで


満開の桜を見上げる余裕がなかった


気付けば青々とした葉桜になっている




でも


まあ いいさ


あんな優柔不断な男


欲しいならくれてやる




公園の葉桜は


少しきつくなってきた陽射しを遮り


風に揺れていた