仕事が終わり



帰宅しようと会社のドアを開けると



真っ暗な長い廊下の先



右側の奥に扉があって



それがゆっくりと開いた





私がキツネにつままれたように



そこに佇み



じっとしていると



扉はゆっくりと閉まり



そのあと私の横をふっと



いつか嗅いだ事のあるとてもとても



懐かしい匂いがして



私は不意に涙を流していた



それがなんの匂いか理解する前に、、、、






今の会社は私に希望と機会をくれた




でも どうも




私にはそれを活かすことが出来ない様だ




新しい事を覚えるのに




若い頃の何倍も時間がかかってしまう




それは若者には一体どう映るのだろう?






拾ってくれた会社のために





できる事を探していた




けれど


 


それが見つかる前に





挫けてしまった





電話の声が聞き取れず



何度も聞き直す



さっき教えてもらった事を忘れる



少し前まで万能だと勘違いしていた自分は



ただの文鎮になってしまっていた様だ




何度も何度も自問自答して




結局




退職を申し出た












挫けてもいいんだ



、、、、、、、?






自分に思い込ませて



力技で進んで行こう





でも扉まではまだまだ遠い





全力で前に進もうとしても、、、