9月16日に行いました一般質問の原稿全文と答弁について書き起こします。
1.地域主権(広域連携)への対応について 地域主権、地方分権という言葉をよく目にするようになりました。
民主党、自民党、二大政党のどちらもが、道州制の議論をし、そのなかで、地方でできることは地方で、できるだけ住民に近い基礎自治体に権限と財源を与えるべきだということをよく耳にするようになりました。
今年6月に閣議決定された
地域主権戦略大綱にはこのような文章があります。
『地域主権改革が進展すれば、おのずと地方公共団体間で行政サービスに差異が生じてくるものであり、地方公共団体の首長や議会の議員を選ぶ住民の判断と責任は極めて重大になる。地域主権改革は、単なる制度の改革ではなく、地域の住民が自らの住む地域を自らの責任でつくっていくという「責任の改革」であり、民主主義そのものの改革である。住民や首長、議会の在り方や責任も変わっていかなければならない。』 今までと異なり地方が自分たちの意思でさまざまなことを決められるようになるということです。一方で、今までのように国・県が護送船団のように市町村を守 ることはしない。市以上の自治体については、独立をしてくださいと言うことです。
合併をし、町村から市に昇格をした宇陀市も例外ではありません。
実際にこの地域戦略大綱を見ていくと、さまざまな事務事業を県から市に移管をするとしています。合併前の町村時代とは権限も責任も全く異なる、ということを覚悟しなければなりません。
まず市長にお伺いをいたします。この地域主権の流れをどのようにとらえているのでしょうか。また、今現在は閣議決定段階ではありますが、来年度の通常国会で地域主権改革関連法案が可決をされれば、実際に対応が必要になります。宇陀市としてどのような準備をなさっているのか、説明を求めます。 地域主権への対応は、すでに都道府県レベルでは始まっています。
奈良県では
「奈良モデル」という名称つけて、県から市町村への権限移譲、事務事業の移管にむけての検討が始まっています。
奈良県の方針は、県が行っている事業をただ単に市町村に下すのではなく、県から移管された事務事業は、近隣市町村で共同処理を行うように体制を整えるべきであるとしています。
実際に、奈良モデルの報告書には次のような記載があります。
『市町村は、最も住民に身近な公共団体であり、優先的に事務執行を行う基礎的自治体であり、事務の役割分担にあたっては、優先的に配置するという原則は補完性の原則に照らしても尊重するべきものである。
一方で、市町村は、その実情に応じ、県民(=市町村民)サービスの最適化を目指すため、県全体の行政経営の効率性・最適性を求める観点から、自らの意思により、市町村間での事務の共同化、県の支援を検討することが必要である。』 私もその通りであると、考えています。奈良県一律に行ってきた事業です。
宇陀市も桜井市も曽爾村も御杖村も同じサービスを行い、同じ事務を行ってきたのです。県から移管される事業については各市町村で行うよりも、複数の市町村で共同処理を行うようが効率は良くなります。
しかし、県から移管をされる事業のみ共同処理を行うだけでは、今よりも効率のよい行政を行うことはできません。今行っている事業に県から移管をされる事業が上乗せされるからです。したがって今現在、宇陀市単独で行っている事業についても複数の市町村で共同処理を行う検討を始めるべきであると思われます。
実際に大阪府では、共同処理に向けての準備が進められています。
大阪府の箕面市、池田市、豊能町、能勢町の2市2町では事務事業の一元処理のための共同処理センターを来年度より設置をいたします。 大阪府の場合、移管に向けて最高1億円の補助を行うとしています。ここは奈良県とは異なります。
しかし、奈良モデルを策定し、実際に共同処理を推進するのであれば、大阪府と同じように財政面での支援も検討がなされるでしょう。
今から研究を行い、速やかに広域連携による共同処理が行える体制作りをする必要があるということです。
今まで宇陀市は、国・県の方針の後追いを続けてきました。その結果、先回りをし、真っ先に手を挙げれば、受けることができた支援施策も受けることができなかった。そのような事例があったのではないでしょうか。
今回は同じ轍を踏んではいけません。特に、広域連携による共同処理は宇陀市単独でできるものではありません。だからこそ、市長の近隣自治体への積極的な働き掛けが必要なのです。
そこで、市長にお尋ねをいたします。
広域連携による共同処理についてはどのようにお考えでしょうか。また、他の市町村長とは共同処理に向けての交渉をする準備はされているのでしょうか。市長の見解を伺います。
2.長期ビジョンに基づいた職員採用・人事について
計画的な採用について
宇陀市は合併当初より職員数の削減と人件費抑制に取り組んでまいりました。※
ラスパイレス指数も平成21年現在で93.7となったこと、
※早期勧奨退職制度により職員数の削減も行われていることについては評価をいたします。
しかしながら、職員総数のおよそ6割が45歳以上であり、
※300人体制達成後は大量採用を行う必要が出てまいります。
実際に数字を挙げますと
後10年で退職をすると思われる職員の数は231名。これは普通会計職員のうち48歳以上の職員の合計数です。現在普通会計職員数は478名。半数近くの職員が10年以内に退職をするということです。
現状の1年間に3名程度の新卒採用を続けていれば10年以内に、300人体制を達成できるでしょう。
ただし、この10年300人体制には大きな問題があります。
300人体制達成からの10年間で退職を迎える職員はおおよそ180名にのぼります。これは団塊ジュニアと呼ばれる現在35歳くらいの年齢の職員が突出して多いことが原因です。
すなわち、300人体制達成後に毎年10名~20名程度の採用を行う必要が出てくるということです。なお、今現在31歳以下の職員はたったの18名。明らかにバランスを欠いています。
組織を構成する最重要要素は人材であります。
新しい人材の採用は経営変革をもたらす最大の要因であり、重視されなければなりません。行政改革を進めていく上でも、人材の採用は重視されなければなりません。宇陀市の経営計画、求められるべき経営変革が分析され、そのうえで人材の採用計画は設計がなされるべきです。
ここで市長に伺います。
長期ビジョンに基づく職員採用はできているのでしょうか?
10年300人体制と宇陀市の経営計画はしっかりとリンクされているのでしょうか?
場合によっては300人計画の見直しも検討するべきではないでしょうか?
また、現状の採用試験の在り方についてはどのように評価をしているのでしょうか?
担当部長の見解を伺います。
※ラスパイレス指数
地方公務員と国家公務員の平均給与額を、国家公務員の職員構成を基準として、一般行政職における学歴別、経験年数別に比較し、国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を示した指数。宇陀市の場合93.7のため国家公務員の給与平均よりも6.3%低くなっているということになる。
※早期勧奨退職一般的に肩たたきと呼ばれるもの。国家公務員の場合は事務次官へと任用されるめどが立たなくなった職員に対して行われる。宇陀市の場合は課長級以上の職員に対して満58歳に達した年度末までに退職をするようにと働きかけが行われる。99%の職員は勧奨に応じて退職をする。なお、一部の職員は広域連合、一部事務組合などに初任給程度の給与で再雇用されている。
※300人体制
竹内市長が打ち出した方針。平成32年度までに現在478名いる普通会計職員(主に市役所・地域事務所の中で勤務する職員を指す。病院、教育施設職員などは除く。)を300名に削減をする。基本的には職員の採用抑制によって達成する予定。ちなみに現在の全職員数は776名。
中央省庁からの職員の受け入れについて
現在、前野副市長を奈良県からの出向により受け入れております。宇陀市と奈良県のパイプ役として、行財改革を進める上で副市長の手腕には大きく期待をしています。
加えて今後、行財政改革を進める上で、より地方自治に精通し専門的知識を持った中央省庁のキャリア職員の受け入れを行ってはいかがでしょうか。現在、総務省は中山間地域に対して職員を積極的に派遣をしていく方針です。
総務省が2008年度から実施をしている
「頑張る地方応援プログラム(地域人材力活性化事業)」では、昨年度中央省庁から市町村へ10名の職員派遣を行っていますが、今後の地域主権、地方分権の流れの中で、本格的な職員の人事交流が始まる可能性があります。
様子見ではなく、できるだけ早い対応が必要です。少なくとも、中央省庁との人事交流では奈良県で一番になる。これくらいの目標と戦略が必要ではないでしょうか。
実際に、近畿地方で受け入れをしているのは、
滋賀県彦根市(人口11万人)
京都府京丹後市(人口6万人)
兵庫県赤穂市(人口5万人)
和歌山県有田市(人口3万人)の4市です。どの市も宇陀市と比較にならないほど大きい市と言うわけでもなく、また、京都、大阪、神戸といった大都市圏から1時間から2時間程度の距離にあります。
宇陀市とも立地条件では変わらない中山間地域の市がほとんどです。
違うのは市長のリーダーシップといってもいいでしょう。
人事権を持っているのは市長です。受け入れについて市長の見解を伺います。また、出向している職員の視点から、副市長の見解を伺います。
3.自治基本条例について自治基本条例は市町村にとっての憲法と位置付けられます。行政の責務、市長の責務、議会議員の責務について明記をし、住民の自治権を明文化させたものが自治基本条例であります。
すなわち、宇陀市にとっての憲法と言えるものです。
今、地域自治区の廃止、地域業議会の改変が検討されています。今こそ、圧倒的な権力を持つ、市長、議会、行政の在り方と自治についてしっかりと定義する必要があるのではないでしょうか。
地方自治法では、地域自治区に一つの地域協議会を設置するとしています。
これは現実と必ずしも合っているわけではありません。条例に基づく自治区や協議会も設計も検討するべきではないでしょうか。
それでは質問いたします
自治基本条例についてどのようにお考えでしょうか、市長の見解を伺います。
自治と協働の受け皿として、地域協議会を位置づけて行くべきであると思われますが、市長の見解を伺います。質問に対する答弁
地域主権改革(広域連携)について企画担当参事の答弁 国の地域主権改革、県の奈良モデルの取り組みは承知をしている。
権限、事務事業移管に向けての準備は必要と認識している。
共同処理にむけての障害はシステムの統合。
組合せとしては、宇陀、桜井、曽爾、御杖になるかもしれないが、名張市との共同処理などもできれば検討したい。
市長の答弁 宇陀消防事務組合のように負担だけが重い場合もある。慎重にならざるを得ない。
人材登用について総務部長の答弁(新卒採用について) 新卒採用時の受験者数は09年約70名。08年約40名。
各大学などへの直接的な働き掛けは一切行っていない。
全国の役所が統一して採用している採用方式を用いて、そこへ登録をしている。
財政状況などを見据えて、採用を行っていく。
副市長の答弁(中央省庁からの職員受け入れについて) 今年度は、地域人材活性化事業による総務省からの派遣は行っていない。
それに変わる制度はある。
奈良県としても、市町村を支援する取り組みはしており、活用をしていきたい。
市長の答弁 中央からの派遣に頼るのではなく、宇陀市に愛着を持った職員でいいのではないか。
自治基本条例について
企画担当参事の答弁 自治基本条例を将来的に制定をすることも検討すべき。
地域事務所などについては、条例制定が必要と考えている。
勝井の要望地域主権改革(広域連携)について 少なくとも現場サイドは、動く準備をするべきだと考えている。にも、関わらず市長の理解が全く感じられない。全庁横断的な対策が必要であり、市長のリーダーシップが必要。特に共同処理は市長が動かなければ確実に後手に回ることになる。
地域主権戦略大綱には、どの事業を移管をするのか、どの権限を移譲をするということが明記されている。それを受けての条例制定や事務事業共同化はもはや不可避の状況。速やかな指示を。
合わせて、条例制定に向けて議会としても総務文教委員会、行財政特別委員会を通じて議論を始めるべきである。行政側、議会側共に協力をし課題に取り組もうではないか。
人材登用について 採用試験の受験者数が少なすぎる。人材登用を他の市役所とまったく同じ右に倣えでは必要な人材は登用できない。それでは、奈良市や橿原市には絶対に勝てない。必要な人材像を明確にし、直接、大学・学生に対するアプローチを。民間企業が行っている採用活動を研究していただきたい。また、調べて提案する。採用プロセスについても見直しを。
必要な人材は、想いだけではなく能力を持った人材。宇陀市への愛着と言う測りようのないものではなく、経営能力、プレゼン能力など明確な指標を立てるべき。能力が高く、中央とつながりを持った人材は市役所を変える可能性を持つ。検討を。
自治基本条例について 地域自治区廃止に伴う制度変更が必要。
今年度をめどに議論をする用意を。今まで当局サイドですべてを決めているという印象がある。
この議論は、議会サイドと当局、市民の参加を呼び掛けてしっかりと行うべきである。
協議会の制度設計などを勝手に決めてしまわないように。市長に白紙委任をしているわけではない。
改めて、見ると部長サイドがなんとかしないといけないと思っている課題を市長がことごとく止めている印象です。これは答弁をしていない課長級以下の職員さんと話をするとさらに顕著になります。
今までも書いていますが、政策立案実行機能が宇陀市役所は脆弱すぎます。
ほとんどの事業が右に倣えの事業で新しいことに挑戦をする土壌がなさすぎます。
そのことが、人材の登用にまで影響をしています。
一律のセンター試験を利用して、採用をしたらよい人材は登用できません。
完全に大学入試の発想。民間企業と闘う気概を持っていただきたい。
何よりも、市長。
あなたがそんなに保守的でどうするのですか。
改革を旗印にしているのですから、リスクをとって挑戦してください。
そのための予算案やそのための条例案であれば、いくらでも賛成します。
リーダーシップが今必要なのです。
決断をするのが我々政治家の使命なのです。