この時期、更新もしていないのにアクセスが増えて、どうしてだろうと思うと「インフルエンザ」「タミフル」とか、「熱」「子ども」「喉」といったワードでいらっしゃる方が実に多い。
多分、昔のこんな記事とかあんな記事とか見て行かれるのでしょうが、大丈夫なんだろうか、こんな私見だらけの記事を公開していて・・・と大いに不安になる。

まぁ、「あくまでも自分の体験ですから」と断っているので、そこを踏まえて読んで下さっていると信じています。



過去の記事を読むと、何となく、ブログ主である私が、薬、特に、批判の多い「抗インフルエンザ薬」や「抗生剤」に絶大な信頼を寄せているかのように思われるのではないだろうか。

実際に過去40年ほどの経験から、漢方などの東洋医学も否定はしないし実際何度も取り入れている(今も服用している漢方薬はある)けれど、何しろ西洋医学の方の「薬」は即効性があって効き目が凄いのは事実と感じているのだから仕方がない。
その反面、副作用問題や服用しすぎるとどうなるのか未知数というリスクもあるわけで、そこら辺は承知の上で、なんとか綱渡り的に使いこなして人生をソフトランディング出来ればなぁと考えている。


「タミフルを予防的に服用したらどうなるか」といった体験談もそうだが、私は他にちょっと珍しい持病があったり、病気に関してはそれほどポピュラーな対応を取っていない事が多い。
それは、医師と医療現場の近くにいて、彼らに一家言ある私の親の影響から来ている。

私の親は、昔から医者とのつきあいを大切にしてきており、医師の友人が極めて多い。
ほんの僅かな病変でも、すぐに電話をして聞く、薬をくれる、時には駆けつけてくれる、また適切な病院を紹介してくれる、そんな関係を築いている。
その一方で、医者を心から信用しているわけではなく、常に自己責任で判断し、時には医師の忠告に反する行動を取ったりもする(しかもそれが効奏する場合が多い)。

そんなわけで、数回に亘ってちょっとレアな病気とその対処の話を書いてみようと思う。



我が家は風邪をひくとすぐ抗生物質を飲めと言われる。
中学生の頃その話をしたら、親が医者という友達から「絶対にダメ!抗生物質飲み過ぎると耐性菌ができて効かなくなるのよ」と猛反対された・・・という話を親にしても、馬耳東風であった。
人間は平均、1年に3回は風邪を引くものらしい。友達の話に恐くなり、なるべく抗生剤を飲まずに逆らった時期もあったが、その期間を考えずに単純計算で30年×3回×5日分、抗生剤を服用してきたことになる。

抗生剤も刻々と進化している。また、人によって効く・効かないというのもあったり、体質に合わないものもある。まぁ私も色々と試してきた。
今は、一日一錠で済む結構強い抗生剤を愛用している(愛用といっても年3回程度だ)。


「風邪に抗生物質は効かない」。風邪はウイルスなので、細菌を殺す「抗菌剤」は無力である、というのは常識らしい。だから、風邪で病院に行き、「○○という抗生剤下さい」と言っても、「風邪には効きませんよ」とぶつぶつ言いながら渋々処方されることが多い。

ところが実際問題、抗生剤を飲むと恐ろしく良く効く事が殆どなのである。
私も心のどこかで、30年前に友達から言われた「飲み過ぎると効かなくなるよ」という忠告に対する怖れがあり、なるべくなら風邪くらいで抗生剤は飲みたくないと思い、しばしあがいてみるのだが、殆どの場合それは失敗し、悪化して結局は抗生剤のお世話になる。

(勿論、全ての抗生剤が効くわけではない。例えば、ポピュラーなところでよく処方されることの多いフロモックスは、私には全く効かなかった。また、飲むと眩暈がするなど、身体に合わないものもある。今は、喉の痛みから始まる風邪にピタリと効く薬があるのである)


特に困ったのが、息子が保育園に行くようになってからである。
「保育園に行き始めると100回風邪を引く」と言われたが、実際、100回は大げさとしても、100種類近くのウイルスに一通り感染させられて、その後、全く風邪をひかなくなった。

最初は「どこまで効くのか分からない風邪薬」しか処方してくれない病院に行かせていたが、案の定親から一喝され、何も言わなくても抗生剤を処方してくれる小児科に行かせるようにしたところ、ダラダラと一週間近く熱が下がらなかったものが1~2日で熱が下がるようになった。
「38度の熱が一週間も続いたら脳細胞が死んじゃうよ」と親から脅かされ、観念して抗生剤を処方してくれる小児科にせっせと通ったものだった。それほど、効き目の違いは歴然だった。


「風邪には効かない」筈なのに、この効き目はどう説明するのか。医者に聞くと、まぁ色々説明はされるが結局よく分からない。
もしかしたら抗生剤はプラシーボなのかもしれない・・・が、何も分からない子どもについては偽薬効果はない筈だ。


そこで最近、「抗生物質否定派」の書籍を何冊か買って読んでみた。



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これは最近の本。「風邪に抗生物質は効きません」との小見出しに惹かれて購入し、読んではみたものの、「抗生物質を飲み過ぎるとどうなるのか」については書かれていない。
弊害がなければ、現象面としてとにかく一応「効いて」しまうのだから、飲ませた方がいいに決まっている。心配なのは、副作用なりの弊害だ。30年前に聞いた「飲み過ぎたら効かなくなっちゃう」がホントなのかどうか、である。あるいはとんでもない副作用が身体に生じるのか。

しかしその答は、書いていなかった。


もっとも、その答は、身近に実例として存在している。親である。
私の親もまた、少なくとも30年以上、風邪に抗生物質を飲み続けてきた人である。とりあえず今のところ、「老化現象」以外は病気をしていない。年に1、2回、風邪を引く程度である。
そして、その度に抗生剤を勝手に飲んでは治している。今は、最近新しく発売された抗生剤がお気に入りで、なんと風邪予防として飲んでる時もあるらしい。

昔に比べて風邪を引きやすくなったとか、治りにくくなったとか、そんな事も今のところないが、あったとしてももうそろそろ寿命である。
「風邪くらいで抗生剤を飲み続けるとどうなるのか」という身を賭した人体実験の答が、そろそろ出る頃である。




以上は、私と私の親族に限って言える事に過ぎないので、体質等で全く異なる結果になる方がいらっしゃると思います。その点はくれぐれもご承知下さい。