始めに2点お断りしておきます。これは、「インフルエンザにいかにかからないか」という予防の話ではありません。従って「免疫を高める方法」とか、そもそもインフルエンザにかかりやすいということが問題だとか、そういうお話は期待しないで下さい。

それから、これはあくまでも私自身の経験上の事実を書いているだけですので、他の方に当てはまるかどうかは分かりませんし、「薬を過信してる」といった批判をされても困ります。


私は今、40代ですが、子どもの頃からつい最近まで、インフルエンザというものにかかったことがありませんでした。
最近、一年おきに、過去少なくとも3回、インフルエンザにかかるようになりましたが、これらは全て、子どもが感染源です。
私自身が受験生なので、風邪をはじめ、インフルエンザなんてもっての外なので、予防に手抜かりはない筈なのですが、それでもうつってしまいます。


インフルエンザと言えば「タミフル」ですが、服用後の異常行動による死亡事故が多数報告されてから、その因果関係は謎のままですが、ちょっと怖い薬だと思ってる方も多いと思います。
でも、受験や仕事等々で、どうしても早く治さなければならない場合、タミフルは驚きの威力を発揮します。


私がはじめてインフルエンザにかかった時。

その時は学校にいたのですが、なんだか調子が悪く、その調子の悪さが未だかつて経験したことのない異様な具合の悪さだったので、「やばい、風邪ひいたかも、帰る」と言って帰宅したのが夕方の5時。

それから関節が痛くなり、熱を測ったら7度4分とたいしたことはないものの、「全身の著しい倦怠感」に襲われていたので、これは絶対おかしいと、お医者さんに電話をして指示を仰いだのが夜7時半。

インフルエンザだと言われ、すぐにタミフルを一錠飲みました。それからぐんぐん熱が上がり、深夜には38度から39度へ。この時には全身倦怠感どころではなく、体中が痛くて起き上がれない状態に。

明け方にタミフル二錠目を飲みました。

午前10時、熱を測ったら36度。体中の痛さはほとんどなく、但し頭が殴られたように痛い。医者の指示により、エスタックイブなどの「市販の風邪薬」と「抗生剤」を飲むようにいわれ、服用後数時間で、頭痛消失。

発熱から24時間後、つまりその日の夜には、「熱」「全身倦怠感」「痛み」といったインフルエンザの症状が全て消失していました。
ただ、この24時間で体調がジェットコースター状に上下したことにより、体力を消耗していたので、しばらく疲れがとれませんでしたが・・・。


二回目の時は、あのゾクゾクするような「キターーーッ」という、インフルエンザウイルスが身体に侵食し蝕み始めた瞬間が分かるようになったので、即服用、
熱は37度台でたいした症状もなくいつしか体調は元通りに。

この時は、自分でインフルエンザに罹患したという気がしませんでした。結局、殆ど症状らしい症状がなかったもので。
ただ。タミフルを一錠飲んでから具合が良くなってきたので、やっぱりインフルだったんだろうなと思います。



そして三回目はつい、3週間前のことです。

子どもが熱を出したのですが、症状からどう考えてもインフルエンザくさい。しかし連休中なので病院はやっていない。
去年、休日に発熱されてしまい、日赤病院の救急外来に二度も行き、長時間待たされた挙げ句酷い目に遭った経験から、これは抗生剤で何とか凌いで、連休明けに信頼できる小児科に行くしかないと腹をくくりました。

翌日、なんとなく私の調子が悪い。いやな予感がします。期末試験を控え、授業も休めないし、どうしてもインフルエンザにかかるわけにはいかない。
確か、タミフルの予防的服用というのがあった筈。飲んでいいものかどうか、ネットで調べて見たら、知恵袋くらいしか載っていませんでしたが、どこでも全然、お勧めされてない。「医療関係者ですら飲んでません」とな。
しかし夕方次第に喉が痛くなり、身体もだるくなり、例によってお医者さんに電話でお伺い。「タミフルを予防的に飲んでいいものでしょうか」「別に構いませんよー」
そして夜、タミフル一錠服用。しばらくして、全身倦怠感と関節痛に襲われる。どういうことだ??タミフルの副作用???一晩中痛くて眠れない。こりゃぁインフルエンザにかかったか???

・・・と思って翌朝一番で熱を測りました。36度。平熱。しかし、体中が痛いのです。

この時私は、タミフルの副作用を疑っていました。そのうち全身倦怠感で、身体を支えていられなくなり、私は身体を壁にもたれさせていました。それでもまだ平熱を保ってます。

午後、子どもを小児病院に連れて行く為に早退。体中の痛みはどんどん増し、全身をプレス機でぎりぎりと押しつぶされてるかのよう。病院に到着後、自分の熱を測ったら37度3分。

「せ、先生、私も全身痛くてだるくて、今熱を測ったら37度なんですけど、この子のインフルエンザもらっちゃったみたいですぅ・・」

「それはインフルエンザですね。この後もっと熱上がりますよ」

「昨晩、予防としてタミフル飲んだんですけどー」

「一錠じゃ効きませんよ。飲み続けて下さい」

「タミフルの副作用じゃないんですか」

「そんな副作用はありません」

こういうことなのです。昨晩、タミフルを飲んですぐ、熱以外の全てのインフルエンザの症状に襲われた。熱が出ないので、タミフルのせいでインフルエンザ疑似症状(予防注射を打った後、こうなることがあります)が出てるだけかもと疑ったのですが、実は既にインフルエンザウイルスが体内に潜んでいて、たまたまタミフルを飲んだ後のタイミングで、症状が出てきたというわけだったのです。

ところが予防のつもりで飲んだタミフルのせいで、熱だけ出ないという中途半端な症状になり、タミフルの効果が切れかかった12時間後、ようやく熱が出てきたのでしょう。

結局、二錠目のタミフルを飲んでからは熱も上がることなく、1時間毎に体調が復活していき、翌朝最後まで残っていた全身の痛みも、午後には消失するという、ついでにいつの間にか喉の痛みまで消えていたという、インフルエンザの症状を途中で強制的に食い止めるという偉業をやってのけたのでした。タミフルが。


但しこれ、自宅にタミフル溜め込める環境にある人とか、医者からもらったタミフルをためておいとくとか、そういう物理的状況にないと余り意味ないです(タミフルの効果は発病から24時間以内が最大効果を上げると言われています)。
インフルエンザに明らかに罹患してるのに、検査結果が出ないからと、ただの風邪と診断してタミフルをよこさない無能な医者が多いですが、検査結果出ないなら、出るまで検査しろ、です。優秀な医者は、診断が主で検査結果は裏取りです。
あぁ去年、二日間で二回も検査したのに(しかも適当な検査で・・・)陰性だからただの風邪、と追い返され酷い目にあったことを再び思い出してしまった。
熱が39度以上あってぐったりしてるのに、ただの風邪はないと思うんですけどね、
やはり医者任せではなく、自分自身の経験値も上げないと、人生の危機管理は出来ないです。


医療関係者でも何でもないのでうかつな事は言えませんが、異常行動を起こしたというのは、インフルエンザによる高熱のせいか、年齢(異常行動は20歳未満に集中している)のせいのどちらかが要因ではないでしょうか。少なくとも私には、異常行動の気配はありませんでした。ただ、小児科ではタミフルではなく、イナビルかリレンザを処方されますので、子どもにタミフルはリスキーかと思います。
それにしてもタミフルという薬は“凄い”の一言です。飲まなくても体力があればいつかは治りますけど、自分自身や人に迷惑をかけない為に、早く治さなければならない時は絶大な威力を発揮します。



2016年1月31日追記

こちらに記事をアップデート致しました。