現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~ -11ページ目

現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~

今まで色々だらだらブログを書いてきましたが
艶が~るの妄想二次小説などをぼちぼち載せてみたいと・・・

古高俊太郎さまが好きなので、メインは俊太郎さまの予定。

いつまでも・・・ その1、その2からお読みください。


秋斉さんと慶喜さんの関係についてネタバレがあるので、本編でまだ見てない方、ネタバレはいやん!な方はスルーお願いします!


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はしごを登り、七は巣の中にそっと雛を帰した。



「元気でね」



それから数日、七と俺は巣から少し離れたところで、巣立ちを見守った。



這い出て羽を動かしたかと思えば、飛べずにすぐ落下。


その度に駆け寄ろうとする七をなだめる。



徐々に飛行距離を伸ばしていく雛。





あれは何日目のことだっただろう。





「見た?秋斉」


「見たよ」


「行っちゃったねぇ・・・」




あの時の雛は無事に巣立って行った。



雛の巣立ちを見届けた七が、唐突に言った。


「秋斉って」




「うん?」



「親鳥みたい」




「・・・・・は?」



いったいこの坊ちゃんは何を言い出すんだ。





わけがわからず固まっている俺にをよそに、七が言葉を続ける。






「だって秋斉も、僕を甘やかしてなんてくれないもの」





「・・・・・」




「あの雛、ほかの人ならさ、きっと飼っていいって言ったよ」





「・・・そうかもしれないな」




「やっぱり秋斉は、親鳥だ」





「・・・・・」






「僕も、あの雛みたいに巣立つときがくるんだよね」





「そうだね」




「ねぇ、秋斉」





「うん?」




「秋斉は・・・僕のそばにいてくれる?」





「ふふ、それはどうだろうねぇ」




「秋斉の意地悪―!」





七が頬を膨らませる。




「秋斉は、ずっと一緒にいるんだもん!」





そう言って、じゃれるように後ろから七は俺に飛びついた。







(ずっと一緒にいるよ。俺がお前をずっと守るから。どんなときでも、何があっても。俺はお前の味方だよ、七)


その4へ続く・・・



いつまでも・・・その1からお読みください。


秋斉さんと慶喜さんの関係についてネタバレがあるので、本編でまだ見てない方、ネタバレはいやん!な方はスルーお願いします!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





「その雛を見せてごらん」




七の手から雛を受け取る。




(やっぱり・・・)




渡された雛は、もう巣立ちが間近な様相を呈していた。




「ここをよく見てごらん」




手の中の雛を覗き込む七。




「膨らんでいるだろう?」




「うん」




「これは、今この雛の腹がいっぱいという証だよ」




「?」




それだけじゃあ意味が分からないのだろう。




「腹がいっぱいってことは、餌を食べてる、ってことだ」




「そりゃ、餌くらい食べるよ・・・あ」




俺の言わんとしていることに気が付いたようだ。






「・・・じゃあ、親鳥は?どこに行っちゃったの?」




「きっと少し離れたところで見守っているさ」




「離れたところ?」




餌は与えるのに、そばにいない。




それが七には解せないらしい。




「そう。この雛は今、巣立ちの時を迎えているんだろう」




「巣立ち?」




「これから雛は、自分だけで生きていくために、飛び方の練習をしたり、餌のとり方を学ぶんだよ」




「なぜ、親鳥は教えてあげないの?」




「教えるさ。でもまずはやってみてからだ」




「・・・・・・」




「最初から、出来ない出来ないと喚くような甘ったれじゃあ、野生では生きていけないからね」




ちょっと厳しかったか・・・




そう思いほかの言葉を探していると




「・・・わかった。帰してくる」




「そうか。じゃあ、はしごを持ってくるから、そこでちょっと待ってるんだよ」




「大丈夫だよ!さっきだって・・・」




「落ちたじゃないか。また落ちて、雛が下敷きにでもなったらかわいそうだろう?」







不服そうな顔をしているが、雛のことを言われてはどうしようもないのだろう。




七の手の中にそっと雛を渡し、はしごを取りに走った。





その3へ続く・・・



初めて俊太郎さま以外のを書いてみました!


ただ、秋斉さんと慶喜さんの関係についてネタバレがあるので、本編でまだ見てない方、ネタバレはいやん!な方はスルーお願いします!



今回のお話は、私が好きな絵師様の絵を見て、妄想して書きましたぁ(^▽^;)



許可をいただいたので、その絵師様『てふてふあげは』さまのそのイラストページのリンクを貼らせていただきました!↓↓


【イラスト】 追想の刻 【艶が~る】


素敵な作品ばかりですので、ぜひ!


では、本編どうぞ~




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本当にあいつは手のかかるやつだ。




今も、昔も・・・







どさっ



「痛ったぁ~・・・」


大きな音と声に驚いて振り返る。



そこには土埃にまみれ、頭に木の葉をたくさんつけた“七”がいた。




「七!大丈夫か!?何をやってる!?」



「あ、秋斉!」




「あぁ、もう。木から落ちたのか?どこも怪我はないか?痛いところは?」



駆け寄って土や木の葉を払い、矢継ぎ早に質問する俺に、七は笑って答えた。




「どこも痛くない!それより秋斉、見て!」



七の手には小さな生き物がいた。




「鳥の・・・雛か?」



「うん!」




そうか、それで木登りを・・・



「かわいいだろう?餌は何をやったらいいかなぁ・・・」




雛が可愛くて仕方がない、という表情の七。



「七」




「ん?」



「巣に、戻しておやり」




七が目を丸くする。




「どうして?だって・・・この雛はずっと一羽でそこにいたんだ」



そう言いながら、頭上の木を指さす。





「ずっと?」



「うん、ずっと。もう三日になる」




なるほどな。



だから七は・・・


「お前はずっと見ていたのかい、七」



「見てたよ!だから・・・」




「本当にずっと?」




そう聞くと、七は半べそをかきながら答えた。



「見てた!昨日も、今日もっ!」





我ながら意地の悪い聞き方だと思う。




「じゃあ、お前は、朝餉も夕餉も食べずに、起きてからずっと寝るまで、この雛を見ていたのかい?」



「それは・・・」




ごめんな、七。



俺だって、意地悪をしたいわけじゃないんだよ。



その2続く・・・