[解散] My Chemical Romance - シーンの一時代を築き上げたエモ界の帝王 | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。


今月の推薦記事で既に予告した通り

今月の解散バンド記事はこのバンド

 

 

 

 

My Chemical Romance
シーンの一時代を築き上げたエモ界の帝王

 

 


ここ日本ですら

サマソニのヘッドライナーや

武道館、横アリでの公演をやるほどまでに上り詰めた

My Chemical Romance

そこまで来れば

絶対的な信者も、顔ファンもいたことだろう。

ある海外のフェスではペットボトル投げられたとかも。

ウソかホントかわからないような噂や

批判されるのも、それほど世間に知れ渡っていたという

何よりの証明だろうと思う。


2001年から2013年までの12年間

怒濤のように駆け抜けたMCRのアルバムは

4枚+ベスト盤1枚

その5枚を見ていこうと思う。






I Brought You My Bullets, You Brought Me Your Love (2002)
 - Honey, This Mirror Isn't Big Enough For The Two Of Us
 -  Vampires Will Never Hurt You
 
コンセプトアルバムであり、テーマは「ひどい失恋

国内盤は7年遅れの2009年リリース。
完全にサマソニに関連付けてのプロモーションだが
さすがメジャーレーベル様()は仕事が遅い

自らの名を冠する"Romance"というインスト曲から始まる今作。
さすが1st、初期衝動ならではの激しくハードな部分が多分に見てとれる。
それ故にマイケミの中でも最も"Screamo"してるアルバムだと思う。
やはり、シングルカットされた
"Vampires Will Never Hurt You"
"Honey, This Mirror Isn't Big Enough For The Two Of Us"
"Headfirst For Halos"の3曲が印象に残るが、
スクリーモどストライクものから、
メタル感のあるハードなものや、
後のマイケミにも見られるキャッチーさのあるものも見られる。
個人的にススメたいのはtrack-05の"Our Lady Of Sorrows"と
track-09の"This Is The Best Day Ever"
track-10の"Cubicles"

さすがスクリーモ全盛期の作品という出来。
当時のスクリーモシーンを賑わせたFinch The Used
Saosin、Story Of The Year、Lostprophets
やはりこのへんは共通して好きな人も多かったことだろう。






Three Cheers for Sweet Revenge (2004)
 - Helena
 - I'm Not Okay (I Promise)
 - The Ghost Of You
 
2nd albumにして、メジャーデビュー作。
1stから続くコンセプトアルバムであり、テーマは「祖母の死
USだけで140万枚以上のセールスを誇り、プラチナディスクに認定された。

のっけからマイケミ屈指のヒットソング"Helena"から幕を開ける。
リアルタイムで追いかけてはいないが、今聴いても思う。
1曲目がこれだと期待値かなり上がるし、
聴いてる側のテンションも上がる。
リアルタイムで聴いてた人はもっとヤバかっただろうと。
続く"Give 'Em Hell, Kid"、"To The End"と
頭3曲でリスナーの心は鷲掴みだろうコレは。
前作から2年、そしてメジャーデビュー盤となったことから
1stの荒々しさも上手く昇華し、しっかりまとまっていると感じる。
track-08にInterlude を入れて、
前後半に分けるような演出も良い。
そう考えると後半パートの勢いの良い曲が揃ってて
自分の中ではその後半の曲群に惹かれがち。
MV曲以外の個人的に好きなのは
track-02 "Give 'Em Hell, Kid"
track-07 "The Jetset Life Is Gonna Kill You
track-09 "Thank You For The Venom"
track-10 "Hang 'Em High"


2005年にシングルとしてリリースされた"Under Pressure"は
オリジナルはDavid BowieQueen による合作。
それをマイケミとThe Used とでカバーした。

The Used and My Chemical Romance
 -
Under Pressure [Live]


続くカバーコンピ『Tony Hawk's American Wasteland』にて
Misfits の"Astro Zombies"カバーを収録した。

My Chemical Romance
 -
Astro Zombies (Misfits cover)






The Black Parade (2006)
 - Dead!
 - This Is How I Disappear
 - Welcome to the Black Parade
 - I Don't Love You
 - Cancer
 - Mama
 - Teenagers
 - Famous Last Words
 - Blood (Japanese Edision Bonus track)
 
前作でマイケミの名が世界に知れ渡り、
そしてこの名盤で、その地位を確固たるものにした
と言っても過言ではないだろう。
ビルボードで2位を記録した『The Black Parade
こちらもプラチナディスクに認定されている。
続編ではないものの、今回もコンセプトアルバムであり
テーマは「自分の道を生きる決意」で
 
若くして癌を患った「the Patient (=病人、患者) 」が
一番強力な記憶 (=「The Black Parade」) を通して死を迎え、
あの世でブラックパレードに参加し
そこで自分の恐怖心や後悔と出会う。
こうして旅の果てに主人公はもう一度生きたいと決心する


という内容のコンセプトアルバムとなっている。

"The End."というタイトルの曲から始まる
ってのも感じもまた面白い。"終わりの始まり"か。
そしてタイトルの割にキャッチーさ溢れる"Dead!"へ。
このアルバムはMV化されてる曲も多い。
故に良曲が多いってのも名盤たる所以か。
中でもやはり"Welcome to the Black Parade"
日本のCMにも使用され、マイケミの代表曲であるのは間違いない。
ライブの頭も締めも飾れるキラートラック。
ここでも個人的な好きな曲を挙げようと思ったが
それこそMV曲抜きでそれをしたら、
ホントにアルバム全曲になってしまう勢い笑
それほどに名盤だと思う。
ただ1つ注目曲を挙げるとすれば、
後の2010年、曲のタイトルと同名のバンドが現れた
"Famous Last Words"かな、と。

ちなみに国内盤は、track-13と14の間に隠しトラックとして
"Blood"が収録されている。
そんなボートラにMV付いてるのも日本贔屓が効いてて○


2009年にはBob Dylan のカバーとして
"Desolation Row"をシングルでリリースしている。
My Chemical Romance
 -
Desolation Row (Bob Dylan cover)

同年、氷室恭介 feat. Gerard Way として
FF7ACのエンディング曲"Safe And Sound"をリリース。
当時FF7ACは買って、リアルタイムで見たけど
Gerard のことは全くもって知らなかったんだよなぁ。
というか、洋楽すら聴いてなかった時なので(。-∀-)アハハ…
 
My Chemical Romance (GERARD WAY) feat. KYOSUKE HIMURO
 -
safe and sound
 
「FF7AC」と氷室京介氏新曲「Safe And Sound」とのコラボが決定
(4gamer.net)






Danger Days: The True Lives of the Fabulous Killjoys(2010)
 - Na Na Na
 - Sing
 - Planetary (GO!)
 - The Kids From Yesterday
 - Zero Percent
 
スタジオアルバムとしては最後の作品になってしまった4thも
もれなくコンセプトアルバム。
テーマは「僕らが君たちを救う
3rdまでの経験や困難を乗り越えた上でのテーマだという。
 
尺の短いイントロ曲代わりのものを1曲目に
キャッチーさで押す"Na Na Na"に続く、
みたいな流れは前作と同じだが
やはり名盤が2作続くってのは難しいのか、
という『The Black Parade』の良さを引き立たせるように感じる。
しかし前述した今作のテーマ「僕らが君たちを救う
これを考えると、明るく前向きな曲
そういったタイトルの曲が多いような気もする。
ちょっとシンセやエレクトロ要素が入ってるのも
そう感じさせる所以か。
"Party Poison"はまさかの日本語の喋りから入り、
曲中にも同じ人物と思われる日本語が。
変な鈍りがないせいか、本物の日本人を使ったか
めちゃくちゃ日本語流暢な外国人なのかと。
"Zero Percent"国内盤ボーナストラックで、
またもMV化がされている。
ホントに日本好きだったんだなーと思わせてくれる。
新日バンドとして有名だったのは確かだしね。


また、東日本大震災のとき、
他の海外バンド同様、日本を励ます為
"Sing"を日本に向けに新たなVideoを作成してくれた。
自国は自粛ばかりで、実際に行動に移すのは
海外バンドよりも遥かに後だった国内バンドは非常に多い。
もちろん、状況を鑑みたら仕方のない部分もあるが
こういった際の海外バンドの動きの早さには本当に頭が下がる。
My Chemical Romance
     - #SINGItForJapan


ガラパゴスすぎて海外進出するバンドが少なすぎる日本は
海外で何か凄惨な事件や災害とかがあっても
そういったことに遭ってしまった国やバンドに対して
海外バンドほど大々的に動いたりしないからな。
海外の為に動いた最近のバンドってCRYSTAL LAKEくらいかな?

CRYSTAL LAKEがThe Ghost Inside "Wide Eyed" カバーをリリース、収益はすべてThe Ghost Insideへ寄付すると発表
(ALTERNATIVE PRESS JAPAN)






May Death Never Stop You: The Greatest Hits 2001-2013 (2014)
 - "Greatest Hits" Trailer
 - Greatest Hits" Trailer (Featuring the song 'Fake Your Death')
 
2013年3月22日、オフィシャルサイトにて正式に解散を発表。
そして解散から翌年の2014年3月に、
結成後にリリースしてきたシングル曲を網羅した
このベストアルバムをリリースを発表した。
シングル曲の他に、未発表曲のデモ音源を加えた
全19曲を収録したベストアルバムとなった。
やっぱこのデモ音源の完成したものを収録したアルバムを出してほしかったなと。





アルバムとしては以上5枚だが

途中でシングルやカバー等の情報も挟んだ通り

マイケミの曲は

これらのスタジオアルバムには収録されていない

コンピ盤やEP、ライブ盤、シングル等々もけっこう多い。

色々と探してみるのも面白いかもしれない。



海外からもエモバンドだと認知され
 
ここ日本でも"エモの帝王"なんて呼ばれちゃってるが
 
Gerard 自身は自分たちの音楽が
 
エモだと分類されるのを激しく嫌悪していたらしいね。
 
以下、wikiから転載↓
 
 
本来的には、僕達の音楽についてエモだと分類することは全くの誤りだ。
以前クリスチャン・メタルのバンドとツアーを行ったけれど、それまでにエモ・バンドの誰もが僕達と一緒にツアーを行おうとしなかった。彼らは自身のジャンルのバンドとお互いにツアーを行っていたからだ。
僕はエモというジャンルに関してはただのゴミクズ(fucking garbage)だと思うし、くだらないと思う。僕が思うに、僕達が不運にも括りを与えられたエモというジャンルには誤ってエモであると分類されたバンドが他にもいて、それが僕達をエモに分類する事を促したんだ。
今僕に言える事は、誰もがエモ・バンドのレコードと僕達のレコードをそれぞれ聴き比べれば、何処にも似ている箇所はないとわかる、という事だ。
エモはそびえ立つクソ(a pile of shit)だと思うよ。
 
 
…相当だな笑

しかし自分のルーツや、やりたい音楽、目指す音楽が

自分たちの意図しない部分で、意図しないジャンルに

定義されたことが本当に嫌だった
んだろう。
 
自分もエモ界隈には似たようなこと思うし、
 
何でもかんでも"エモにしたがる"ような
 
エモ音楽に傾倒しすぎているエモ厨とか
 
何でもかんでも「エモい…」とか言う連中とか嫌すぎる。

そんなマイケミに"エモ界の帝王"とか
 
Gerard、それより何よりマイケミに対して
 
これ以上の皮肉はないわな。
 
 
 
とはいえ、音楽後進国である日本ですら
 
絶大な人気を誇ったのは確固たる事実で。
 
2009年にはサマソニのヘッドライナーを務め、
 
それより前、2007年には武道館でもライブをしている。
 
解散前、最後の来日公演となってしまった
 
2011年には横浜アリーナ2daysですよ。

同じようなジャンルで、ここまで人気が出る海外バンドは
 
もう日本では出ない気さえする。
 
 
そして自分が洋楽を聴き出したのが2011年…

横アリ公演は、マイケミを知り、聴き出してすぐのことだ。

その時点で、マイケミの良さに辿り着いていなかったし、

来日公演の情報を得るのも、今ほど意識していなかった。

故に、マイケミのライブを見る前に解散してしまった。

ホントね、こういったことがある度に

自分の遅咲き加減が嫌になります。

しかし、この記事を書くにあたって改めて聴き返したものの

2016年のとなった今でも全然色褪せず、

当時、先取りしてたとまでは言わないが

今聴いても現行組に全く引けを取らないし、見劣りしない

フツーに良いバンド、良いアルバムだったと思える。

それも、このバンドに影響を受けて

現行で活躍してるバンドも少なくないだろうってのと

やはり、それほどのものを当時から持っていたってことだろう。

解散せずに今もバンドを続けてたら、

サマソニ2度目のヘッドライナーも夢じゃなかったろう。




ということで。

My Chemical Romance という音楽に出会えたことは喜ばしいが

遅咲き故にライブを体験できなかったのは

後悔しか残らない。

"ライブ"を映像で見てもしょうがないだろ。

その場で見る、体験する以上の経験や感情は

映像で見るだけじゃ絶対に得られないよ。

しかし、そんな日本にも確かな爪あとを残していったバンドだ。

そんなバンドを解散したまま放置するなんて

とてもじゃないが出来ない。

故に、このテーマでも取り上げました。

ライブに行っていないが故に説得力に欠ける部分や

無知故に足りない部分もあるかもしれませんが

少しでもマイケミの良さが伝われば幸いです。





参考記事
"シアトリカル" とは?
"Emo" とは?
My Chemical Romance好きにオススメするバンド11選

参考資料
解散したからこそ聴いてほしい、マイケミカルロマンスというバンド
(はてなブログ)

My Chemical Romance サマソニで直撃インタビュー
(激ロック)

マイケミのファン、バンドの名誉挽回のためデモ行進
(BARKS)

[マイ・ケミカル・ロマンス interview] 2019年が舞台のコンセプト作
(CD Journal)

マイ・ケミカル・ロマンスの解散の背景をジェラルド・ウェイが語る
(RO69)

「もしマイケミがメタルバンドだったら…」My Chemical Romanceの楽曲をメタルカバーしたギター動画が公開
(ALTERNATIVE PRESS JAPAN)

Gerard Way『Hesitant Alien』 インタビュー
(激ロック)